「ペーパーレス職場」の展望と課題【後編】
RPA×AIによる「ペーパーレス」の自動化がもたらす無視できないリスク
ロボティックプロセスオートメーション(RPA)や人工知能(AI)技術を活用することで効率的にペーパーレス化を進めることが期待できる。ただしコンプライアンスのリスクに対処する必要はある。
プライバシー保護規則の進化により、企業の間でデータの整理や管理が重視されるようになっている。人工知能(AI)技術や分析技術でそのプロセスを自動化することはできるものの、必ず安全性が高まるわけではない。調査会社Forrester Researchでアナリストを務めるクレイグ・ル・クレア氏は「AI技術や分析技術が判断を下す際に、透明性や予測可能性が不足することによって、リスクがもたらされる」と話す。
ここで言う透明性とは、単純にデジタル化のプロセスを説明できるという意味ではない。データ出力のバイアス(偏り)を分析することを意味する。特に記録のデジタル化がAI技術や分析技術のアルゴリズムで使用されるデータセットの作成手順の一つで、ビジネス上の意思決定を下すために使われる場合、これが重要になる。
職場をペーパーレスにする取り組みは、デジタル化とデータ出力における説明責任と透明性が伴うことで、実際にリスクを減らす可能性がある。「AI技術を使用してリスクを管理することは、非構造化データの処理と評価をするときに特に役立つ」とパイ氏は言う。
ペーパーレス化とプライバシー保護規則の関係
RPAベンダーのRipcordが受け取るコンテンツの半数以上には、個人を特定できる情報(PII)が含まれている。このことは、進化を続けるプライバシー保護規則への準拠を複雑にする恐れがある。ドキュメントをスキャンし、データを抽出して整理する機械学習の要素を備えたロボットは、コンプライアンスのためにデータを構造化する必要がある。これには個人の名前と詳細を編集することも含まれる。元のドキュメントはその後、シュレッダーにかけてリサイクルする。
「欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)とカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)は、当社のコンテンツに対する見方を変え、顧客との共有方法を変えた」。こう語るのはRipcordのCEOアレックス・フィールディング氏だ。
個人情報の確認を最小限にとどめることを好む企業もあれば、PIIを含むコンテンツを人の手で編集し、整理することを選ぶ企業もある。他にも単純にデータを求めていて編集する必要がないため、自動整理を好む企業も存在する。
ペーパーレス化を目指す企業は、特にその作業を外部委託する場合、業界固有のさまざまなプライバシー保護規制に準拠しなければならない。医療ならHIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)、自動車製造ならTREAD法(Transportation Recall Enhancement Accountability and Document Act)といった具合だ。
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