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Windows Virtual Desktopではなく「デジタルワークスペース」がVDI市場の主役?専門家が占う2020年VDI市場【後編】

2020年、VDI(仮想デスクトップインフラ)市場はどのように変化するのか。2019年の出来事を基に、専門家が予測するのは「デジタルワークスペース」や「セキュリティ」に関する動きの活発化だ。その理由とは。

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 2019年、「VDI」(仮想デスクトップインフラ)市場はさまざまな変化に見舞われた。VDI製品の機能をクラウドサービスとして利用できる「DaaS」(Desktop as a Service)の充実や、デバイスを問わずにアプリケーションやデータを利用できるようにする「デジタルワークスペース」への注目度の高まりなどだ。専門家は「VDIにとっての2020年は引き続き変化と進化の1年になる」と予測する。DaaSとデジタルワークスペースの導入が継続し、とりわけセキュリティへの関心が高まるという。

 2020年もVDIが変化をもたらすことは間違いない。前編「『Windows Virtual Desktop』と『Linux仮想デスクトップ』がVDIの“主役”になる?」に続き、専門家の予測を見ていこう。

Azureとセキュリティが鍵に

マリウス・サンドブ氏(ITコンサルティングを手掛けるEVRYのチーフクラウドエバンジェリスト) VDI業界に影響を及ぼす可能性のある最も大きな最近の変化の一つは、MicrosoftのDaaS「Windows Virtual Desktop」により、パブリッククラウド「Microsoft Azure」でマルチユーザー版「Windows 10」が利用できるようになったことだ。特にMicrosoft製品との相乗効果で、Azureを使用するVDIユーザー企業が増えるだろう。多くのアプリケーションベンダーは、自社アプリケーションをマルチユーザー版Windows 10で実行可能にするための調整をせざるを得ない。

 多くのクラウドベンダーが安価なインフラを提供して、各種GPU(グラフィック処理プロセッサ)を利用できるようにしている。VMwareやCitrix SystemsといったVDIベンダーも、Azureの導入増加を見越して、マルチユーザー版Windows 10を使用して各社独自のサービスを構築している。

 もう一つはセキュリティだ。VDI製品経由でレガシーアプリケーションを利用するSaaSを使用するユーザーが増えるにつれて、セキュリティを維持するのが困難になる。VDIベンダーの中には、セキュリティ製品を自社開発したり、他社のセキュリティ製品を買収して自社のVDI製品に組み込んだりするところもある。多くのユーザー企業にとって、VDI製品はアプリケーションとデータへのメインゲートウェイになるため、VDI製品のセキュリティが強化されることは非常に重要だ。

デジタルワークスペースにおける競争がさらに激化

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