「VPN」の誤解と現実【前編】
「VPN」は在宅勤務中は常に有効化すべきなのか?
広く利用されているだけに「VPN」に関する意見はさまざまだ。VPNを常に有効にしておくべきか、無効にしておくべきか。これも意見が分かれる問題だ。どう考えるべきなのか。
「VPN」(仮想プライベートネットワーク)は、在宅勤務などのテレワークを支える技術だ。企業の間で広く利用されていることもあり、VPNに関する情報はあふれている。だが中には誤ってVPNを認識していたり、誤解に結び付く説明がなされていたりすることもある。
VPNに関して注意すべき情報として、例えば次のようなものがある。
- VPNはユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)の妨げになる
- VPNは常に有効にしておかなければならない
- VPNは時代遅れだ
これらを信じる人はいるだろう。だが「いずれも決定的な真実とは言い切れない」と、VPNベンダーNetMotion Softwareでマーケティングを統括するジョエル・ウィンデルズ氏は語る。業務継続のためにテレワークの必要性が高まる中で、VPNにまつわる“神話”と“事実”は区別しなければならない。
テレワークにおいて特にVPNを利用する必要性が高いのは、機密データを扱う場合だ。小規模の小売業者であれば問題は大きくない可能性があるが、金融機関や法律事務所といった機密データを頻繁に扱う事業者の場合は、VPNの扱いに関して絶対に妥協してはいけない。
「VPNを常に有効化」は是か非か
VPNは通信路を暗号化する。VPNが必要になったのは、特にインターネットの伝送データを暗号化するためだった。近年はWebサイト自体がSSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)といった通信路暗号化プロトコルを利用し、エンドユーザーとの間でやりとりするデータを保護することが一般化している。それもあって「VPNは余分なセキュリティ対策だ」という意見がある。
従業員の業務を監視したり、機密データを確実に守ったり、従業員が信頼できないネットワークやWebサイトに接続した場合に適切に対処したりするために、仕事中はずっとVPNを有効にしておくよう従業員に求める企業もある。一方では全てのデータのやりとりをVPN経由にする必要はないと考える企業もある。その場合、必要なときだけVPNを有効にし、必要のない場合は無効にする。
VPNのユーザー企業が検討し始めている、より賢い方法は、ポリシーをベースにして自動的にVPNの有効化と無効化を切り替える方法だ。例えばオフィススイート「Microsoft 365」(旧「Office 365」)の利用時には、通常はVPNを利用せず、機密データを扱う場合にVPNを自動的に有効化する。
Facebookの同名ソーシャルネットワークサービスの投稿を閲覧しているだけであれば、リスクはそこまで大きくない。「Facebookの利用で想定される最悪の事態はあまりない。そのためVPNは必要ない」とウィンデルズ氏は語る。
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