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在宅勤務がDevOpsチームの「業務の属人化解消」の“特効薬”になる?DevOpsチームが取り組むテレワーク【中編】

新型コロナウイルス感染症の影響で、企業のDevOpsチームはテレワークを強いられている。DevOpsチームがテレワークを実施する際の心得を、専門家のアドバイスとともに紹介する。

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開発プロセス | 運用管理


 アプリケーション開発とITインフラ運用を統合的に実施する「DevOps」チームには、在宅勤務などのテレワークと相性の悪い業務が幾つか存在する。DevOpsチームがテレワークとうまく付き合うためのヒントを紹介しよう。

  1. コミュニケーションツールを統一する
  2. 業務の属人化を避ける(会員限定)
  3. 作業を可視化し業務量を測定可能にする(会員限定)
  4. 品質を重視する(後編で紹介)
  5. 従業員を細かく管理しない(後編で紹介)
  6. 後回しにしているプロジェクトを進める(後編で紹介)
  7. 1#

1.コミュニケーションツールを統一する

 複数の専門家が、テレワークに切り替える際にはまず「ツールを標準化すべきだ」だと考えている。そのためには従業員が利用できる“最小公倍数”のツールを採用するとよい。例えばチーム内にWeb会議ツールを利用できない従業員がいるのであれば、チーム全体では音声会議ツールのみを使うようにするといった具合だ。

 コンサルティング企業Polodisでプリンシパルテクニカルコンサルタントを務めるジェレミー・ピューレン氏は、個人が使用するツールを自由に選べるようにしてしまうと「共通のコラボレーションツールを使うという目標が失われ、ツールが無力になる」と言う。チーム全員が同じ標準に従うようにした上で、チームの半数がテレワーク、半数がオフィス勤務の場合でも、全員が電話会議に出席するようにすべきだというのが、同氏の考えだ。

 通信事業者向けの登録情報管理ベンダーSomosのアジャイルサービス提供担当ディレクターであるゲイリー・マッケイ氏のチームは、Slack Technologiesのビジネスチャットサービス「Slack」でのチャットを中心に据え、必要に応じて電話をかけることに統一した。一方でテレワーク中にメールをコミュニケーションツールとして使用するのは、できる限り避けるようにしたという。「メールでは意図がうまく伝わらない。電話をかける方が簡単だ」と同氏は語る。

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世界を混乱に陥れた新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)《クリックで拡大》

2.業務の属人化を避ける

 DevOpsの指南書『The Phoenix Project』(邦題『The DevOps 逆転だ!』)は、DevOpsチームが1人の「ヒーロー」に依存し過ぎると、チームの生産性と柔軟性が低下するという「ブレント氏の例」を取り上げている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による混乱は、企業にこの考えを受け入れることを迫っている。

 テレワーク中のDevOpsチームは、チーム全体で一元的な作業リストを共有し、手が空いた従業員が作業を引き受けられるようするとよい。学校閉鎖で自宅にいる子どもの世話をしたり、家族やテレワーカー自身が病気になったりすることを考えると、特に重要だ。

 ソフトウェア開発支援ツールを提供するTasktop Technologiesでシニアバリューストリームマネジメントストラテジストを務めるカルメン・デアルド氏は「テレワークへの移行を誰も望んでいないとしても、そうすることによって良い方向へ向かう」と考えている。テレワークによってプロジェクトを統率するための会議が減って「真のコミュニケーション」が生まれ、従業員間で業務負荷を分散できるようになるという。「企業が本来やっておくべきだったことを、強制的に推進することになるだろう」(デアルド氏)

3.作業を可視化して業務量を測定可能にする

 共通の作業リストを作成し、ワークフローを整理するために利用できるツールにはSlackに加え、Atlassianの「Jira」といった課題管理ツールや、同社の「Trello」といったタスク管理ツール、タスクの進行状況を管理するチケット管理ツールなどがある。これらのツールを使用して、作業のドキュメント化と業務量の測定を入念に実施するとよい。

 「全員がホワイトボードの前で会議しているときは、タスク管理に関するツールの情報を更新しなくても構わない」とデアルド氏は言う。一方テレワークでは、課題や業務に関する詳細情報を従業員が入手できることが重要だ。そうすることで作業の一貫性が確保され、重複がなくなり、従業員の繁忙期に応じて業務調整が可能になる。

 「後で会議の録画やSlackの履歴を見て遅れを取り戻せるため、従業員は子どもの世話と会議という二者択一を迫られることがなくなり、不安が減る」とデアルド氏は話す。作業成果を可視化して測定できるようにすると、厳重な監督をすることなく生産性の低い従業員に着目できるようになることもメリットだ。

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