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「フェデレーテッドラーニング」(連合学習)が医療AI開発の在り方を変える?「フェデレーテッドラーニング」が医療にもたらす可能性【前編】

世界20施設の医療機関が共同で、新型コロナウイルス感染症患者の酸素投与の必要性を予測するAIモデルを開発した。研究の鍵となった技術が「フェデレーテッドラーニング」(連合学習)だ。その可能性とは。

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 世界の医療機関20施設が協力して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者に酸素投与が必要になるかどうかを正確に予測するための人工知能(AI)モデルを開発した。このAIモデルはまだ臨床で使用されていないが、COVID-19の症状で救急救命室に運ばれてきた患者が、初診から数時間後あるいは数日後に酸素投与が必要になるかどうかを予測できるようにしたという。

 このAIモデルは、もともとマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)の研究者が最初に開発したAIモデルがベースだ。ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)医学部および公衆衛生学部、NIHRケンブリッジバイオメディカルリサーチセンター(NIHR Cambridge Biomedical Research Centre)といった世界中の医療機関の研究者がAIモデルのトレーニングに取り組んでいる。

 各医療機関は後にGPU(グラフィックス処理プロセッサ)ベンダー大手のNVIDIAと組んで、別の開発プロジェクトを立ち上げた。「フェデレーテッドラーニング」(連合学習)のアプローチでAIモデル「EXAM」(EMR Chest X-ray AI Model:「電子医療記録と胸部エックス線画像に基づくAIモデル」の意)を開発するプロジェクトだ。

「フェデレーテッドラーニング」による医療AIモデル開発の中身

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