「NewSQL」とは何か【中編】
「NoSQL」が存在する理由と、無視できない“欠点”とは?
RDBMSではないDBMS「NoSQL」は、高いスケーラビリティが特徴だ。NoSQLの基本的な仕組みと、NoSQLが抱える課題を解説する。
リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)と、それ以外のデータベース管理システム(DBMS)である「NoSQL」両方のメリットを生かしたDBMSとして「NewSQL」が台頭しつつある。その特性は、前編「いまさら聞けない『ACID特性』『オンライントランザクション処理』(OLTP)の基礎」で解説した通りだ。中編はNewSQLの土台となるNoSQLを取り上げ、そのメリットとデメリットを説明する。
NoSQLの存在意義と“無視できない課題”
NoSQL誕生の背景には、スケーラビリティと可用性を維持し、データを分散化させ、非構造化データを格納することが可能なDBMSを求める声があった。初期のNoSQL製品は、こうしたニーズを満すように設計されていた。
DBMSを拡張する従来手法は、DBMSを稼働させているサーバの筐体を開いてCPU、メモリ、ストレージといったリソースを追加するか、より多くのリソースを備えたサーバにDBMSを移行させることだ。一方NoSQLはサーバをクラスタリングし、クラスタにサーバを追加することで拡張できる仕組みを持つ。
NoSQLでスケーラビリティを実現するために使われる仕組みが、データを複数のストレージに分散させる「シャーディング」だ。NoSQLにおけるシャーディングは管理者が定義した、あるいはシステムが生成したシャードキー(データの識別情報)に基づいてデータをグループ化し、ストレージをさまざまなノードに割り当てる。
データの一貫性に関する問題
DBMSを拡張する際にはデータの一貫性が大きな問題になる。NoSQLのメリットはスケーリングが容易なことだが、それと引き換えにデータの一貫性が犠牲になることが少なくない。
NoSQLはデータの書き込み時に、クラスタ内の全てのサーバにデータを複製(レプリケート)する。それらのデータの一貫性は必ずしも保証しない。この問題はネットワーク障害によってクラスタ内のサーバ同士が通信できなくなった場合に生じる。全てのサーバにアクセスできても、ネットワーク障害によってデータの更新が全てのサーバに適用できなければ、各サーバ内のデータに一貫性がなくなるためだ。
全てのサーバでデータの一貫性が保証できないとしても、DBMS全体としては最新のデータを提供できる。これを許容できる用途もあるが、金融取引などデータの厳密な一貫性が求められる用途には最適な選択肢とは言えない。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] SCS評価制度の死角は“SaaSの中” クラウド標準機能では届かない領域とは? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 5分で分かる、「オープンソースCMS」比較ガイド -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 1つのアプリを各国で運用 多言語モバイルアプリを簡単に開発・導入できる方法 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 複雑化するKubernetes運用、VMとコンテナの二重管理を解消する方法は? -
市場調査・トレンド
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 急増する高度なフィッシング詐欺 先回りしてブロックするには何が必要?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
2
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
3
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
4
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
6
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
7
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
8
PHP2Shellの「事前の情報流出」でパニックに パッチ公開を巡る“混乱劇”
-
9
「年1回の外部診断」が限界に 大手小売が脆弱性管理を内製化・一元化した方法
-
10
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー