「VRM」(ベンダー関係管理)実践のヒント【中編】
「ベンダーエクスペリエンス」なぜ重要? ベンダーと本気で付き合うための視点
IT製品の調達先であるベンダーは、自社との取引でどのような体験をしているのか――。こうした「ベンダーエクスペリエンス」を知ることが、VRM実践の第一歩として重要だという。それはなぜなのか。
前編「ITベンダーは『敵』ではなく『仲間』だと考えるべし」は、企業がIT製品の調達先ベンダーとの関係を改善する「ベンダー関係管理」(VRM)を実践する上での7つのヒントのうち「ベンダーを分類する」「ベンダーをビジネスパートナーとして扱う」という2つのヒントを紹介した。本稿は、残るヒントのうち3つを紹介する。
ヒント3.「ベンダーエクスペリエンス」を検証する
自社のIT製品調達先になることは、ベンダーにとってどのような経験価値をもたらすのか。VRMの取り組みを進める上で、こうした「ベンダーエクスペリエンス」を知ることが重要だ。
「企業がベンダーエクスペリエンスを知るためには、ベンダーとの取り組みを追跡して、摩擦を生み出している原因を探る必要がある」。調査会社Forrester Researchでバイスプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めるダンカン・ジョーンズ氏はこう述べる。
例えば企業が複数の調達イベントへの入札にベンダーを招待したとする。だが一度も契約を勝ち取れなければ、そのベンダーは熱心に入札に応じようとは考えなくなるとジョーンズ氏は指摘する。
ヒント4.情報システムを活用する
現代のVRMにおいて、キーポイントとなるのが情報システムだ。企業は1種類の情報システムだけで、VRMに求める全ての目標を達成できるわけではない。調達システムや取引システムなど、複数の情報システムからベンダーに関する幅広い情報を集める必要がある。「特定の業務部門レベルの詳細な情報と全社レベルの大まかな情報の両面で、ベンダーの全体像を捉えるためだ」とジョーンズ氏は説明する。
ベンダーに関する情報収集に使う情報システムの構築には、VRMに適したソフトウェアを使用する必要があるとジョーンズ氏は述べる。連絡先や住所だけでなく、これまでの発注数をはじめとする活動概要、ベンダーが社会的責任に関するポリシーを順守している証明・契約なども記録する必要があるからだ。同氏によればこれらの機能は、Aravo SolutionsやHICX SolutionsなどのVRM専用システムの他、SAPやCoupa、Ivaluaなどが販売する主要な調達管理システムに含まれている。
ヒント5.VRMを経営幹部の優先事項にする
サプライチェーン部門や調達部門にとって、VRMの優先順位が高いのは当然だ。こうした部門の責任者はVRMの重要性を認識している。経営幹部にもVRMを優先事項として認識してもらわなければならない。
「調達部門が経営幹部の会議に出席し、『VRMを実施すべき』という主張を遠慮なく述べられるようにする必要がある」と、米国生産性品質センター(APQC:American Productivity and Quality Center)のサプライチェーンマネジメントリサーチリードを務めるマリサ・ブラウン氏は話す。「調達部門がベンダーの価値を認めても、経営幹部がコストの削減を求めることは多い」とブラウン氏は説明。経営幹部がVRMの重要性を認識できていなければ「変化がなかなか進まない」と述べる。
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