見極めよう、4つの「AIキャリアパス」の違い【前編】
数学のプロが「データサイエンティスト」になれるとは限らない“当然の理由”
AI技術を扱う人材の需要は飛躍的に高まっている。そもそもそうした「AI人材」にはどのような仕事があるのか。キャリアを築く上でのポイントは何か。
企業は自然言語処理や機械学習などAI(人工知能)のコア技術を活用し、ビジネスの競争力を高めようとしている。しかしその際、大半の企業はAI分野に精通する人材が社内に不足し、社外から採用することが必要になる。
データ分析やデータ活用の専門家の求人市場が活況を呈している。だが世の中にはまだ、データサイエンティストをはじめとした「AI人材」が少ない。そのため、需要が供給を上回るのが現状だ。
併せて読みたいお薦め記事
話題の「データサイエンティスト」とは
身につけておきたいAIの基礎知識
ひと言でAI人材といっても、その中にはさまざまな職種があり、職種によって人材の需要が異なる。ここでは中核となる「データサイエンティスト」「機械学習エンジニア」「ビジネスインテリジェンス開発者」(BI開発者)、「AIアーキテクト」の4つの職種を詳しく紹介しよう。これらは全て、データサイエンス、ビジネスアナリティクス、数学のスキルや知識がキャリアパスを開く。
データサイエンティスト:「数字」に精通しているだけでは駄目
データサイエンティストの仕事は、データの収集と分析だ。データサイエンティストには、統計学や数学、機械学習の知識はもちろん、ビジネスのさまざまな課題を分析するスキルも欠かせない。膨大な“データの海”からどのような情報を引き出せば、ビジネスの課題解決に有効なのか。データサイエンティストはこの「ビジネスの視点」こそ、腕の見せどころだ。
AI技術の進化とともに、データサイエンティストの需要は急速に伸びている。そうした中、大半の企業でデータサイエンティストの人材不足が起きている。
データサイエンティストとして活躍するために、コンピュータサイエンスの学位を持つことやコーディングに精通することが要件になる。ただし企業によってはデータサイエンティストの定義がはっきりせず、職務内容にはばらつきがある。共通しているのは、どの企業も統計学や数学の知識、アルゴリズム(計算方法)作りの経験を求めていることだ。
機械学習エンジニア:機械学習モデルを生成・評価・管理
機械学習エンジニアは、機械学習を専門とするソフトウェアエンジニアだ。機械学習を活用する計画の立案から、実際の運用環境への導入、運用の改善まで、機械学習活用の一連の業務を担う。機械学習モデルの「トレーニング」と「活用」の両フェーズで、機械学習エンジニアは各種ソフトウェアを扱う。
データサイエンティストはデータとデータ分析ツールを扱い、機械学習以外の領域も含めて幅広くデータモデルを作る。それに対し、機械学習エンジニアは機械学習モデルの生成に特化するのが特徴だ。つまり、データ分析の“ゼネラリスト”であるデータサイエンティストは機械学習エンジニアの役割を担うことができる。“スペシャリスト”の機械学習エンジニアがデータサイエンティストになるのは難しい。
機械学習エンジニアはコンピュータサイエンスの知識に加え、統計学やプログラミング言語、機械学習、深層学習、応用数学など、さまざまな知識やスキルを習得する必要がある。他にも、機械学習モデルのライフサイクル管理で利用する各種ツールを使いこなし、AI技術の最新動向について把握することも欠かせない。
中編は、BI開発者とAIアーキテクトの職種に焦点を当てる。
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