“人のようなAI”は実現するか【後編】
ビル・ゲイツやイーロン・マスクも注目の「汎用人工知能」はいつ完成する?
さまざまなタスクを実行でき、継続的な学習を必要としない「汎用人工知能」(AGI)に、MicrosoftやSamsung Electronicsなど複数の企業が投資している。実現する見通しはあるのか。
前編「真のAI『汎用人工知能』(AGI)とは? フィクションか現実か」は、特定範囲に限らず広範なタスクを実行できる「汎用(はんよう)人工知能」(AGI)の概要と、「AlphaGo」などの人工知能(AI)エンジン開発で知られるDeepMind TechnologiesのAGIに関する取り組みを紹介した。後編は、引き続きAGIの実現に向けて研究、開発するベンダーとその推進内容を取り上げ、AGI実現の可能性を探る。
大手ITベンダーの投資も盛ん
AGIに本格的に取り組んでいるのはDeepMindだけではない。Microsoftは2019年7月、AGIを研究、開発する非営利団体OpenAIに10億ドルを出資すると発表した。この資金で開発する機械学習モデルは、AGIの長期的目標の実現を推進することが期待される。
OpenAIは革新的な機械学習モデルを発表済みだ。その一つである「GPT-2」はかなりの分量の文章を生成でき、その内容は独創的ながらも人が書いた文章とほとんど見分けが付かない。Samsung Electronicsは子会社Viv Labsに投資して、能動的な仮想アシスタントなど、主要なプロジェクトでAGIを活用している。
現状の技術はどこまでたどり着いているか
人の脳の仕組みは、まだ全貌が明らかになっていない。従って、AGI実現のために脳を模したモデルを開発するアプローチは、企業ごとに異なっている。神経科学に重きを置いたシステム設計に基づいて、人と同じレベルで機能する「デジタルな脳」を作ろうとしている研究者もいる。洗練されたニューラルネットワーク(脳細胞のネットワークを模した数理モデル)と体系化された知識を組み合わせ、部分的にAGIを実現しようとしている研究者もいる。ヒト型コンパニオンロボットを開発している研究者もいる。だが、これまでのところはまだ、「開発者の思い通りに動くように巧妙に作られた機械人形」の域を出ていない。
ビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏、Alibaba Group Holding創業者のジャック・マー氏など、多くの著名人がAGIの実現という究極の目標を支援している。こうした関心と支援により、AGI研究にはこれからも関心と投資が集まるだろう。
ただし、いつAGIが実現するかについてはまだ議論の余地がある。いずれにしても、AGI実現を目指す過程で生まれる多様な技術も、価値のあるものになるだろう。私たちが生きているうちに完全なAGIが実現するかどうかは分からない。だが真のAGIを目指す旅は、目的地に着くかどうかより、その過程そのものに意義がある。
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“人のようなAI”は実現するか
「汎用人工知能」(AGI)の目標は、広範に及ぶ一般常識を備え、人と同じように振る舞える人工知能(AI)エンジンだ。それは本当に実現できるのか。
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