「Cortana」ビジネス利用への期待と懸念【前編】
「Cortana」は「Teams」用仮想アシスタントとして生き残るのか?
Microsoftは「Cortana」を、いわば「Alexa」「Siri」の企業向けバージョンのような位置付けに置き、「Microsoft 365」アプリケーションを音声操作するメリットを広めようとしている。このアプローチは成功するのか。
Appleの「Siri」やAmazon.comの「Alexa」といった仮想アシスタントを搭載するスマートスピーカーは一般に広く普及している。これらのスマートスピーカーは音声コマンドでさまざまなタスクを実行できる。仮想アシスタントを使って商品を注文したり、リマインダーを作成したり、小学生の算数の問題を解く手助けを頼んだりできる便利さが、消費者の支持を集めている。
これに対してMicrosoftは、仮想アシスタントの「Cortana」を消費者市場から撤退させ始めている。企業向け市場での成功に賭けて、オフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)向けにCortanaを展開している。例えばユニファイドコミュニケーション(UC)ツールの「Microsoft Teams」では、Cortanaを使ってデバイスに触れることなくアプリケーション機能の操作ができるようにした。この緊密な連携は、UC市場でMicrosoft Teamsの存在を際立たせることになりそうだ。
CortanaはTeamsの仮想アシスタントとしてどのくらい“使える”のか
音声コマンドでビジネスタスクを実行する機能を持っていない他のコミュニケーションツール(「Slack」や「Cisco Webex」など)と比較して、Microsoft Teamsを際立たせる重要な差異化要因がCortanaだ。ビジネスユーザーはCortanaを使って電話をかけたり、会議に参加したり、ファイルを共有したりできる。これらの機能は、Microsoft Teamsの「iOS」版および「Android」版アプリケーションだけで利用できるわけではない。Microsoftは会議室用デバイス「Microsoft Teams Rooms」や、Microsoft Teams向けの音声操作スマートディスプレイでもCortanaを使えるようにしており、会議室でも非接触体験を実現している。
ビジネスユーザーがMicrosoft Teamsで使えるCortanaの音声コマンドには、次のようなものがある。
- 「Cortana, what is on my calendar today?」(Cortana、カレンダーの今日の予定は何?)
- 「Cortana, share monthly KPI data with Janet」(Cortana、月次KPIデータをジャネットと共有して)
- 「Cortana, call John」(Cortana、ジョンに電話して)
- 「Cortana, add Janet to this meeting」(Cortana、この会議にジャネットを追加して)
- 「Cortana, send a message to my next meeting that I am running a few minutes behind and they should start without me」(Cortana、次の会議にメッセージを送信して。私は数分遅れるので、先に会議を始めてください)
- 「Cortana, message John and let him know that I did receive the report」(Cortana、ジョンにメッセージを伝えて。私はレポートを受け取りました)
これらの例は、Microsoftがどのように仮想アシスタントとMicrosoft 365サービスを組み合わせ、カレンダーやWeb会議、アプリケーションの新しい利用方法を提供しているかを浮き彫りにしている。
後編はCortanaの機能的な限界や、普及を阻むハードルを解説する。
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