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HPE買収のディザスタリカバリー製品「Zerto」とは ランサムウェア対策も?DR製品「Zerto」と「Veeam」を比較【前編】

DR製品である「Zerto Virtual Replication」と「Veeam Backup & Replication」にはどのような違いがあるのか。まずはHPEが買収したZertoのソフトウェアの特徴をまとめる。

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 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が買収したZertoと、Veeam SoftwareのDR(ディザスタリカバリー)製品にはいろいろな共通点がある。ほぼリアルタイムにデータを複製する「継続的データ保護」(CDP)機能を提供していることや、VM(仮想マシン)単位の課金を採用していることは類似点の一つだ。

 ただし全く同じではない。DR管理者が知っておくべき重要な違いを紹介する。

HPEに加わったZerto ランサムウェア対策は?

 2021年9月に、HPEがZertoを買収したことを発表した。ZertoのDR製品「Zerto Virtual Replication」は、HPEの従量課金型のインフラサービス「HPE GreenLake」の製品群に加わっている。

 Zerto Virtual Replicationは可能な限り短い「目標復旧時間」(RTO)と「目標復旧時点」(RPO)を確保することや、分かりやすいインタフェースでDRをシンプルにすることを目指している。バックアップ機能も備えているが、DRの補助的な機能という位置付けだ。RTOは復旧に要する時間、RPOは復旧するデータの古さを意味する。

 「Virtual Protection Group」(VPG)は仮想マシンを保護グループに分けるもので、Zerto Virtual Replication特有の機能だと言える。この機能は仮想マシンを個別に扱うのではなく、VPGのグループ単位で扱う。1つのVPGにグループ化した仮想マシンは、全てが同じ時点にフェイルオーバー(待機系への自動切り替え)する。

 Zerto Virtual Replicationのバージョン9はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からの防御機能を追加した。クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)にバックアップしたデータに不変性を持たせる機能がある。新しい仮想マシンを検出し、それに自動的にバックアップポリシーを割り当てる機能も搭載した。


 中編はVeeam Backup & Replicationの特徴と、Zerto Virtual ReplicationおよびVeeam Backup & Replicationの自動化機能を中心に紹介する。

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