特集/連載
「Zoom」も「Teams」も利用不可に 大学がサイバー攻撃で受けた被害とは:狙われる教育機関 その理由と対策【前編】
サイバー攻撃を受けた英国のハートフォードシャー大学では、教育や研究に必要なさまざまなシステムが利用できなくなった。その広範な影響範囲は。
教育機関を標的としたサイバー攻撃が相次ぐ中、英国のハートフォードシャー大学(University of Hertfordshire)も被害を受けた。この攻撃により、同校のシステムは停止した。
BBC(英国放送協会)の報道によると、ハートフォードシャー大学のネットワークへの攻撃は、2021年4月14日22時(現地時間)ごろに始まった。攻撃を受けて、同校のIT部門はサービスの復旧に取り組んだ。
サイバー攻撃を受けた英大学、その大きな影響範囲は
利用不能なサービスの一覧は当時、ハートフォードシャー大学のサービス状況ページで確認できた。少なくとも以下サービスが一時的に利用できなかった。
- 大学が提供するシステムへのログインおよびパスワードサービス
- 学生に関する記録
- 学生向け学習サービス
- オフィススイート「Office 365」(ユニファイドコミュニケーションシステム「Microsoft Teams」を含む)
- Web会議サービス「Zoom」
- 大学キャンパスのネットワーク(無線LANを含む)
- キャンパス外におけるVPN(仮想プライベートネットワーク)接続
- ストレージ
- 職員のメール
併せて読みたいお薦め記事
狙われる教育機関
- 「学校」がサイバー犯罪者に狙われる“納得の理由”
- 学校を襲うランサムウェアはなぜ「Chromebook」よりも「Windows」を狙うのか
- 「ランサムウェア」攻撃を受けた学校は身代金を払うべきなのか? 実例から学ぶ
英国では以前から国家サイバーセキュリティセンター(NCSC:National Cyber Security Centre)が、小中学校や高等学校、大学などの教育機関を狙った攻撃の増加を警告していた。同センターによると、特にランサムウェア(身代金要求型マルウェア)による攻撃が活発化している。
後編は、教育機関がサイバー攻撃の標的になる理由を紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.