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金融監督機関が「AIエンタープライズサーチ」導入 何を期待しているのか?英FCAがAiimi製品を活用

英国のFCAは、エンタープライズサーチベンダーであるAiimiと3年契約を結んだ。AI技術を搭載したエンタープライズサーチ製品を活用し、FCAが実現しようとしていることとは。

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 英国の金融監督機関であるFCA(金融行動監視機構)は、Aiimiが提供するエンタープライズサーチ(企業内検索)ソフトウェア「Insight Engine」を3年契約で採用した。組織内における文書検索の改善と職員間コラボレーション(共同作業)の強化のためだ。

 Insight Engineは機械学習機能などの人工知能(AI)技術を搭載しており、気になる指標を示す英国企業といったリスク要因を特定し、FCAに警告できるようにする。FCAの職員はInsight Engineを活用することで、組織内のさまざまな場所に、さまざまなデータ形式で存在する情報を、内部からも外部からも参照できるようになる。データの専門家も、非専門家も自由に検索機能を利用できるようにすることで、チーム間の共同作業を支援する。

FCAが目指す「データドリブンな意思決定」とは

 Aiimiの発表によると、Insight Engineはアクセス制御が可能で、閲覧者ごとに表示する情報をコントロールできる。情報の出所を追跡し、証拠に基づく意思決定を促進する機能を備えており、実際に監査が必要となる際に役立つという。

 「データドリブンな意思決定を実現し、情報をコントロールするため、組織はより良い新しい方法を探している」と、AiimiのCEOであるスティーブ・サルビン氏は語る。相互に関連するデータを発見し、必要なときにはすぐに実用的な洞察を得るという課題に対する解決策として、サルビン氏はInsight Engineをアピールする。

 FCAは2013年に初めてデータ戦略を発表し、データを収集、管理する方法の改善に注力してきた。2020年8月に更新したデータ戦略では、「より効果的にデータを共有し、FCA全体の業務を合理化して効率を改善する」ことを挙げている。その第1ステップが「幅広いシナリオにWebスクレイピング(Webサイトからの情報抽出)、ネットワーク分析、自然言語処理などの新しいツールをテストし展開する」ことだった。人材の面では「組織全体でデータサイエンスのリソースを増やして、それを中核的な能力として、包括的な学習・開発プログラムを通して、データや分析のスキル全体を向上させる」意向を表明している。

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