「メールは危ない」と何度でも伝え続けなければいけない理由と、正しい伝え方:メールセキュリティポリシーに必要なこと【前編】
人々にとってメールは古くから慣れ親しんだコミュニケーションツールだ。攻撃者がメールを悪用するのも目新しいことではない。それでもメールを使った攻撃が成功し続けているのはなぜか。企業は何をすべきなのか。
IP電話やWeb会議、IM(Instant Messenger)、ビジネスチャットといったコミュニケーションツールが台頭した今でも、企業にとってメールは主要なコミュニケーション手段であり続けている。メールは攻撃者の基本的な攻撃手段でもある。さまざまなフィッシング詐欺やランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の場として、攻撃者はメールを悪用し続けている。攻撃者の狙いは、諜報(ちょうほう)や恐喝を目的とするデータの窃盗や破壊だ。企業のITセキュリティチームにとって、メールセキュリティポリシーの策定は最優先課題だと言える。
本連載はメールセキュリティポリシーの目的や盛り込むべき内容、自社のメールセキュリティポリシーを策定、導入するためのヒントを紹介する。
「メールの危険性」を伝え続けなければいけない理由
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メールセキュリティを強化する
何十年も前からメールは存在しているものの、内在するリスクへの理解の欠如や「自分には関係ない」という油断から、人々はメールに関する悪習を身に付けやすい。メールユーザーはメールがはらむ危険性や金銭的リスク、知的財産リスクを認識するとともに、メールの使用に際してすべきことと、すべきではないことを規定したガイドラインを守らなければならない。
企業はリスク回避策としてメールセキュリティポリシーを定める必要がある。ポリシーは有益かつ簡潔で、従業員に自分の責任を認識させるものであるべきだ。従業員がそれまでメールに関して抱いていた誤解を解くのに十分な量の情報を盛り込んだポリシーでなければならない。
盛り込むべき7つの内容
メールセキュリティポリシーは、あらゆる従業員がポリシーの目的やメールユーザーとしての責任を理解でき、質問や懸念をどこに伝えるべきかが分かる内容でなければならない。具体的には、企業は以下の7項目をポリシーに含める必要がある。
- ポリシーの目的と範囲に関する概要
- メールの法的所有権とプライバシー条件に関する情報
- 企業のメール保持およびバックアップに関する規約
- 従業員のメール利用に対する企業の期待
- 提供する情報の種類
- マルウェアやフィッシング詐欺などの脅威や、データ窃盗/紛失といったビジネスに影響する事象も、情報提供の対象になる。
- メールセキュリティを脅かす脅威から従業員と企業を守るための対策
- 従業員がメールセキュリティに関する情報を入手できる手段と、メールセキュリティ関連の質問がある場合に連絡すべき相手の情報
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