無線LANではなく「エリア限定5G」を使うべき納得の用途:5Gが無線LANに対抗する分野【中編】
「5G」と「無線LAN」は根本的に違う技術だが、似た用途に使うことができる。そのためどちらを使うべきか判断が難しいことがある。この点をより具体的に考える。
「5G」(第5世代移動通信システム)は高速なデータ伝送ができることから、「無線LAN」と競合する技術だと考える人がいる。この捉え方が正しいかのどうかは、用途によって判断が分かれる。前編「無線LANが役立たずのときに『5G』を使うべし その役割は限定的」は、無線LANではなく5Gしか使えない用途を紹介した。
一方で、どちらを使えばいいか判断が難しいこともある。例えば限られた場所で、クライアント端末の密度が高くなる場所だ。
「無線LAN」と「5G」のどちらを使うべきか判断が難しい場面
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スポーツ施設や工業施設など、大規模な建物に無線LANを構築することは簡単ではない。そうした場所では多様な何千台ものクライアント端末が通信を必要とするので、無線LANアクセスポイントを至る所に設置しなければならない。その状況で個々のクライアント端末が快適に通信できるように無線を管理するのは難題だ。
5Gを特定のエリア限定で運用する「プライベート5G」(ローカル5G)を使うことで、こうした無線LAN運用の課題を解消できる可能性がある。1つの基地局が多数のクライアント端末と同時に通信できる5Gの特徴は、大規模施設内の通信に適している。
工業施設は稼働効率や安全性を高めるために、より低遅延の通信を必要としている。工業施設は無線LANや「4G」(第4世代移動通信システム)では実現不可能だった通信を、プライベート5Gで実現できる可能性がある。
5Gの周波数帯のうち最も周波数の高い「ミリ派」を使うと、より広い帯域幅の通信を実現しやすい。その場合は、施設内で大容量データの映像を扱う監視カメラを運用することも現実的になる。
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