独自ルールにこだわるIT部門に足りない「発想の転換」 Gartnerが指摘:「どこからでもサービス提供」の視点【前編】
働き方が変わることと同時にビジネスニーズも変化している。IT部門はこの変化に対処するためにどうすればいいのか。そのためには従来の考え方を捨てて、新しい戦略を取り入れることが求められる。
IT部門は、従業員や顧客に対して可能な限り迅速にITサービスを提供しなければならない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって企業は在宅勤務を迫られた。そうした中でIT部門に課されたのは、どこにいても従業員や顧客に対してITサービスを確実に届けるために、どうすればいいのかという課題だ。
IT部門に求められる「発想の転換」
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変わるシステム運用の形
調査会社Gartnerは、2021年12月に年次イベント「Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference 2021」を開催した。この中で、同社のアナリストであるデビッド・カプッチョ氏は、IT部門がいつでもどこでも効果的にITサービスを提供するための戦略のポイントを紹介した。どのような状況になっても、社内の混乱を避けて業務を継続するには、IT部門と事業部門が協力してビジネスニーズに応えることが重要だ。
IT部門は、ビジネスを推進するための重要な分野に焦点を当てたITリソース配備を考える必要がある。これに当たってIT部門は考え方を変えなければならない。「ITリソースの配備はIT部門のルールではなく、ビジネスのニーズに基づいて決定すべきだ。部門を超えたコミュニケーションが成功の鍵となる」とカプッチョ氏は語る。
ビジネスニーズに沿うことに加えて、ITリソース配備のプロセスを標準化することも欠かせない。標準的なプロセスを採用することで業務の複雑さが軽減し、開発チームと運用チームは適切に管理された中で迅速に作業を進めることができる。「ITリソース配備の速さはビジネスの価値につながる」とカプッチョ氏は語る。
後編はインフラ選定の視点で、場所を問わないシステム運用のポイントを考える。
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