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本当に使える「パスワードポリシー」の作り方 「BYOI」を考慮すべしパスワードポリシー作成方法【後編】

パスワードポリシーを定める際、従業員にとっての使いやすさを考えなければならない。そのためには何に注意すればよいのか。パスワードポリシー作成の勘所をまとめた。

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 企業が攻撃による被害を防ぐには、パスワードを保護する必要がある。そのためにはパスワードポリシーの策定が有効だ。前編「『パスワードポリシー』とは何か? 明文化で認証情報を安全に」はパスワードポリシーとはどのようなもので、なぜ必要なのかを説明した。後編となる本稿は、パスワードポリシーを作成するためのヒントを集めた。

 企業はパスワードポリシーを作成する際、下記の項目を軸にするとよい。

  • パスワードポリシーの目的と範囲
  • パスワードに関連する用語の定義
  • パスワードポリシーを管理する従業員の役割
  • パスワードの作成手順
  • パスワード管理
  • パスワードのリセット
  • 不正使用されたパスワードへの対処手順
  • 作成や承認の日付と担当者名

「BYOI」を検討すべし パスワードポリシー作成8つのポイント

 「セキュリティ重視」と「従業員にとっての使いやすさ」を両立させたパスワードポリシーを作成するために、企業は下記の点を考慮しよう。

  • ワンタイムパスワードの使用を検討する
  • パスワード管理ソフトウェアを使用し、ユーザーがパスワードを作成、暗号化、保存、更新できるようにする
  • セキュリティチームの中にパスワードチームをつくる
  • 必要なパスワードの数を最小限に抑えるために、「BYOI」(Bring Your Own Identity:個人IDの転用・仕事利用)を検討する
  • ツールごとに異なるアクセス方法による手間を減らすために、シングルサインオン(SSO)の使用を検討する
  • IDおよびアクセス管理の方針の一環として、パスワードポリシーの使用を検討する
  • セキュリティ侵害を把握・管理するための手順を確立する
  • 全従業員を対象に、パスワード関連の研修を定期的に実施する

 企業はパスワードポリシーの原案を作成したら、セキュリティ専門家にレビューしてもらうとよい。必要に応じて修正した上で、経営幹部の承認を得ることが必要だ。セキュリティ専門家に加え、弁護士のレビューを受けることもお勧めする。パスワードポリシーが確定した後は、従業員に周知する。ヘルプデスクを設け、パスワードポリシーの実施に関する質問に回答できる体制をつくるとよい。

 パスワードポリシーも他のポリシーと同様、有効性を維持することが欠かせない。そのために定期的な見直しと更新を実施することが望ましい。

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