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金融機関が「AI」投資を増額へ それでも残る“あの問題”金融業界のAI活用に立ちふさがる課題【前編】

金融業界の企業の間で、AI技術を組み込んだツールの導入を「避けられないもの」だと考える動きが広がっている。一方で金融業界がAI技術を積極的に活用する上では、解決すべき課題がある。それは何なのか。

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 クレジットカード、権原保険(物件の所有権に対する保険)、融資といった業務からリスクの管理まで、金融業界の企業はさまざまな目的に人工知能(AI)技術を取り入れたツール(AIツール)を使用している。これらのAIツールに付随する問題の解消は、金融業界の企業にとって容易ではない――。これは金融業界でのAI技術活用に関するカンファレンス「Ai4 2022 Finance Summit」に参加した大手クレジットカード会社、保険会社、銀行に共通の見解だ。

「AI」投資増額の金融業界 ただし解決が必要な課題も

 米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Groupが2021年11月に公開した報告書によると、金融業界で働く706人のシニアIT担当者のうち65%が、2022年にIT予算の増額を検討中だ。この予算増額について、回答者の62%は「機械学習などのAI技術に関する支出を増やす可能性が高い」と答えた。

 金融業界の企業はAIツールを使用するメリットとリスクの適切なバランスを見極めようとしている。金融犯罪の検出を手掛けるDataVisorは、攻撃の調査にAI技術を活用する。同社で最高マーケティング責任者(CMO)を務めるプリヤ・ラジャン氏は、Ai4 2022 Finance Summitで、AI技術とクレジットカードに関するパネルディスカッションに登壇した。ラジャン氏はそこで、金融業界でAI技術を導入する企業が直面する第一の問題は「教育不足」だと述べた。

 ラジャン氏「AI技術には依然として未知の部分が多い。本当に役立つAI技術を見極めるのは困難だ」と言う。金融業界の変革では、人々に対する教育が非常に重要な役割を担うと同氏は考える。「金融業界は、AI技術ができることを学び始めたばかりだ。この状況は2032年頃まで続く」と同氏はみる。

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