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「電子戦」強化に乗り出す英海軍 予算170億円で何が実現する?ITを防衛に生かす英国【前編】

英海軍は約1億ポンドを投じて、電子戦における戦力を増強しようとしている。具体的な強化施策の内容はどのようなものなのか。

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 英国防省(MOD)は、英海軍の電子戦(EW)能力の強化に乗り出した。電子戦は、電子兵器や電磁波を利用した戦いのことだ。

英政府は約1億ポンドで“あれを強化”

 MODは国防装備・支援局(DE&S:Defence Equipment and Support)を通じて、約1億ポンド(約170億円)の発注契約を締結した。海事重工業メーカーBabcock International Groupが主導し、同社と軍事システムベンダーElbit Systems UKおよびQinetiQがパートナーシップを結んで、MODに電子戦システムを提供する。現在よりも広い帯域幅でレーダー信号の探知と識別が可能になるように設備を強化することが目的だ。

 DE&Sによると、この設備強化によって

  • 軍事上の意思決定の迅速化
  • 状況認識能力の向上
  • 対艦ミサイル防御能力の強化

といった効果が期待できる。「この強化は、脅威が急速に進化する中で海軍の能力を高め、海上での英国の軍事的優位性を確保する先駆的なレーダー探知能力をもたらす」。英国防相ベン・ウォレス氏はそう語る。

 BabcockとElbit Systems UK、QinetiQの3社は、DE&Sや英海軍、防衛科学技術研究所(DSTL:Defence Science and Technology Laboratories)と共に、EWシステムの設計、製造、供給、集約を実施する。この契約は13年契約で、ソフトウェア開発から製造まで170件の職務を生み出す見込みだ。その結果、主にイングランド南西部での雇用創出が期待できる。

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