DellとAppleのPC出荷は“コロナバブル”後になぜ伸びたのか?:PCベンダー“コロナバブル”後の生き残り策【後編】
成長に陰りが見えるPC市場において、堅調な出荷台数を維持するPCベンダーがある。それがDell TechnologiesとAppleだ。両社は何をしたのか。
テレワークの普及を促した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって、PC市場は大きな伸びを見せた。ここにきて販売自体は引き続き好調なものの、成長ぶりに陰りが見え始めている。今、PC市場はどうなっているのか。PCの市場動向を見た前編「PCはコロナバブル後も活況なのに『低スペックPC』が“売れない”?」に続き、後編となる本稿は出荷台数ベースのPCベンダー別シェアに光を当てる。
PC出荷好調を維持するDellとApple その理由とは?
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調査会社IDCは2023年には、半導体が入手しやすくなり、その結果として消費者向けや教育機関向けのPC出荷が伸びると予想している。2022年第1四半期(1月〜3月)のPC出荷台数シェア上位4社は、前年同期と順位が変わらなかった。
- Lenovo
- 前年同期(2021年第1四半期)比1ポイント減の22.7%
- HP
- 同3ポイント減の19.7%
- Dell Technologies
- 同1.8ポイント増の17.1%
- Apple
- 同0.8ポイント増の8.9%
5位のASUSTeK Computerは1.3ポイント増の6.9%となり、前年同期から順位を上げた。同じく5位のAcerは横ばいの6.8%で、辛うじて順位を維持した形だ。IDCは複数ベンダーの出荷台数シェアの差が0.1%以下の場合、同じ順位と見なしている。
IDCのアナリスト、ライアン・リース氏によれば、Dell TechnologiesとAppleはサプライチェーン管理に注力した結果、出荷を増やして注文の大半を処理できた。Dell Technologiesは大手企業を中心に販売が活性化。Appleは自社開発のArmアーキテクチャベースSoC(プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品)「Apple M1 Chip」(M1)を搭載し、処理速度といった性能を向上させたデバイスが売れたとリース氏は説明する。
Lenovoは2022年第1四半期、ノートPC「ThinkPad」シリーズを一新し、同社初のArmベースビジネスノートPC「ThinkPad X13s」を発表した。PC出荷台数は前年同期比で、やや減少となった。
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