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「デジタル嫌いの大学職員」は“あれ”を恐れている――工科大学CIOが指摘ServiceNowで学生体験の改善に挑むCal Poly Pomona【後編】

ITの積極的な活用こそが学生体験の向上につながる――。こうした信念を持って事務手続きのデジタル化に取り組む、米工科大学Cal Poly PomonaのCIOは、デジタル化に及び腰の職員をどう見ているのか。

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 California State Polytechnic University , Pomona(Cal Poly Pomona:カリフォルニア州立工科大学ポモナ校)は、学事部が学生とのやりとりを記録しておくための機能の開発を進めている。同校情報テクノロジー部門のバイスプレジデント兼最高情報責任者(CIO)を務めるジョン・マクガスリー氏は、この機能を「学生履歴」と呼ぶ。Cal Poly Pomonaは学生履歴を、一般消費者向けコンタクトセンターの担当者が通話履歴を参照できるサービスを参考にして開発する。

デジタル化を恐れる職員は“あれ”を嫌がる

 学生履歴は、学事部と特定の学生とのやりとりに関するあらゆる情報を閲覧できるようにすることで、追加の引き継ぎなしに適切な部署がスムーズに学生を支援できるようにする。Cal Poly Pomonaは学生履歴を活用して、学生が支援を求めてキャンパスにわざわざ足を運ぶという昔ながらの慣習を変えることを目指す。

 Cal Poly Pomonaは事務手続きのデジタル化以外にも、大学生活を通して学生が得る体験価値「スチューデントエクスペリエンス」(学生体験)の向上につながる取り組みを進める。「大学職員の学生への関わり方を見直さなければならない。これから多くの追加トレーニングが必要になる」とマクガスリー氏は語る。

 大学職員は、学生と直接向き合って仕事をするのに慣れている。問い合わせをする学生の約半数は1年生だ。「一部の職員は働き方をデジタル化することを恐れている。学生との接し方を根本から見直す必要があるためだ」とマクガスリー氏は指摘する。

 学生とのやりとりをデジタル化することによって実現する「セルフサービス」は「多くの学生のニーズを満たす」とマクガスリー氏は考えている。「このようなデジタル化を大きく進めていくことで、本当に支援を必要とする学生に職員が時間を割けるようになる」(同氏)

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