「失敗しないDXリーダー」が持っている“ある資質”とは:DXの成否を分ける5つのポイント【第4回】
デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功に導く重要なポイントは、リーダーの人選だ。リーダーをどのように選べばよいのか。リーダーに必要な資質は。
コンサルティング会社Third Stage Consulting Groupの創設者兼最高経営責任者(CEO)、エリック・キンバーリング氏によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)が成功する企業と失敗する企業を分けるポイントは5つある。本稿は、2つ目と3つ目を紹介する。
ポイント2.リーダーの人選
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連載:DXの成否を分ける5つのポイント
- 第1回:そもそも「DX」って何? 専門家による“一言定義”と成功のこつ
- 第2回:DXの成功者だけが到達できる「第3段階」とは? “常人”が到達できない理由
- 第3回:DXでうまくいかない企業がやりがちな“あること”とは
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企業がDXを成功させるには、経験豊富なリーダーが重要なポジションに就く必要がある。同様の取り組みでリーダーを務めた経験がある人材がいれば理想的だ。適切なリーダーシップを発揮する人材は、ベンダーの営業担当者が訴える主張に対して、健全な疑念を持てる必要がある。
極端なことを言えば、ベンダーの営業担当者には、自社製品を導入することで起こり得るリスクや課題をユーザー企業に訴求するインセンティブはない。だが「技術には必ず欠点がある」とキンバーリング氏は指摘する。完璧な技術は存在せず、管理が必要なリスクは必ずあるという考えだ。こうした状況において「DX推進プロジェクトのリーダーが適切な質問をして、技術がもたらす障害や落とし穴がないかどうかを判断できれば、DXの成功に役立つ」と同氏は話す。
ポイント3.技術投資とビジネス価値のバランシング
どのようなDXの戦略を立てていても、技術への投資と、それがビジネスにもたらす価値とのバランスを取る必要がある。技術への投資を過度に優先させた企業は、期待通りのビジネス価値を得られないことがある。場合によっては技術への投資がビジネスの成功を妨げ、克服が難しい業務上の混乱を起こす。特に中小企業は、ERP(統合業務)パッケージ導入プロジェクトの失敗によって、経営上の大きなダメージを受ける可能性がある。
「そこまでひどくはない失敗や課題は、しばしば生じる」とキンバーリング氏は語る。「技術への投資を優先した企業は、その結果として被る不利益を気に掛ける必要がある」と同氏は続ける。
第5回は、DXの成否を分ける以下の5つのポイントのうち、4つ目と5つ目を紹介する。
- ポイント1.目標設定(第3回で紹介)
- ポイント2.リーダーの人選
- ポイント3.技術投資とビジネス価値のバランシング
- ポイント4.「変化への抵抗」の理解(第5回で紹介)
- ポイント5.「手段の目的化」の回避(第5回で紹介)
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