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「DPU」が“第二のCPU”になる? Linuxの業界団体が本気の訳新プロセッサへのLinux流アプローチ【前編】

「DPU」(データ処理装置)の標準化を進める計画をLinux Foundationが打ち出した。これによってDPUを取り巻く市場が一気に広がる可能性がある。焦点はどこにあるのか。

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CPU | Linux | オープンソース


 業界団体のLinux Foundationが「DPU」(データ処理装置)をより活用しやすくするためのプロジェクトに乗り出した。DPUはデータセンターにおける新たなプロセッサとして注目を集めつつある。Linux Foundationの取り組みを通じて、DPUはCPU(中央処理装置)のような、企業にとっての一般的なプロセッサになるのか。

「DPU」が“第二のCPU”になる日が近い?

 DPUには「IPU」(インフラ処理装置)という別称もある。DPUは、プログラム可能なネットワークインタフェースカード(NIC)である「スマートNIC」が搭載するプロセッサだ。CPUの演算処理の一部を、スマートNICが担うことができる。

 Linux FoundationはDPUをデータセンターでより利用しやすくするために、「Open Programmable Infrastructure」(OPI)というプロジェクトを立ち上げた。DPUを利用するためのソフトウェア設計や、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を標準化することが、このプロジェクトの主な狙いだ。

 昨今、企業は以前に増してさまざまなデータを活用し始めている。それに伴い、CPUの負荷が増大する傾向にある。CPUの負荷分散が喫緊の課題だ。ネットワークやセキュリティに関連するタスクの負荷分散を担うとともに、通信のレイテンシ(遅延)を低減させる存在としてDPUに期待が集まる。

 OPIには半導体ベンダーの他、ハードウェアベンダーやソフトウェアベンダー、テスト関連の企業、エンドユーザーなどが参加する。こうした参加者が開発するのは、DPUで動作するソフトウェアの、標準的な設計やフレームワーク(特定の機能を実装するためのプログラムの型)などだ。例えばDell Technologies、F5 Networks、Marvell Technology、NVIDIA、Intel、Red Hatが、OPIに名を連ねている。

 クラウドベンダーやデータセンター事業者は、レイテンシをできるだけ抑制して大量のトラフィック(ネットワークを流れるデータ)を処理することを目的に、DPUを使用している。クラウドベンダーやデータセンター事業者は、DPUを組み込んだインフラを自ら構築することができるものの、普通の企業にとってそれは簡単ではない。普通の企業は、DPUを特定のタスクに応じてカスタマイズするための、標準化されたツールをベンダーから提供してもらう必要がある。

 DPUベンダーがこれまでに提供してきたDPU製品は、基本的には他ベンダーの半導体製品との相互運用性がなかった。DPU製品を活用可能なハードウェアは限られており、DPUベンダーが提供するソフトウェアは独自の設計を採用してきた。こうした状況を改善するのがOPIの狙いだと言える。

 OPIはソフトウェア設計の標準化を進める他、ハードウェアやクラウドサービスをDPUに接続するためのAPIの開発、自動化をはじめとした構成を簡素化するためのソフトウェアの開発なども実施する。企業のデータセンターとクラウドサービスにおいて異なるDPU製品を使用する場合でも、OPIが開発するAPIによって双方間でのアプリケーション移行が容易になる可能性がある。

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