Web会議ツールの「デジタルホワイトボード」機能は“あって当たり前”になる?:「ホワイトボード」でしのぎを削るWeb会議ベンダー【後編】
Web会議ツールベンダーが、自社製品の「デジタルホワイトボード」機能をより拡充しようとするトレンドがある。成長路線のデジタルホワイトボード市場について、専門家の見解は。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、Web会議の際に画像や映像を使ったコミュニケーション手段を必要とする企業の間で「デジタルホワイトボード」が広まった。調査会社Mordor Intelligenceによると、共同作業ができるデジタルホワイトボードツールの市場は2021年に約17億ドル規模に達し、2027年までには約44億ドル規模に成長する見込みだ。
デジタルホワイトボードがWeb会議に必要な「なるほど」の理由
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調査会社J Arnold & Associatesのアナリストであるジョン・アーノルド氏によると、これまで長文のメッセージや電話での会話、あるいはWeb会議で長い時間をかけて説明していたことでも、デジタルホワイトボードを利用すれば図で伝えられるため、時間の節約が可能になる。「聞き手の前で絵を描いて説明できるなら、テキストで説明する必要はない」(アーノルド氏)
「ユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーにとって、デジタルホワイトボードは欠かせないアピールポイントになっている」と、調査会社Metrigyのアナリストであるアーウィン・レザー氏は言う。Zoom Video Communicationsは「Zoom Whiteboard」、Blue Jeans Network(「BlueJeans」の名称で事業展開)は「Collab Board」という、独立したデジタルホワイトボードツールを提供している。RingCentral、Microsoft、Cisco Systemsもそれぞれ、Web会議ツールにデジタルホワイトボード機能を搭載している。
「テレワークとオフィスワークを組み合わせた『ハイブリッドワーク』が定着するにつれ、さらなる機能が必要になる」とアーノルド氏は指摘する。一部の従業員がオフィスに戻る中で、企業は、携帯電話やテレワーク用PC、または会議室の大型タッチスクリーンを通じて従業員がいつでも使えるブレーンストーミングツールを必要としている。「今は非常に多くのことをバーチャルでやりとりするようになった。だからデジタルホワイトボード機能はあらゆる場面で使えるようにしておく必要がある」(同氏)
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