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“自分大好きエンジニア”が招く大問題とは?「技術的負債」主要6種とその対処方法【第3回】

企業の技術的負債はなぜ生まれるのか。「文書化」「情報共有」「ソフトウェアテスト」の観点から、その原因を探る。

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 システム開発における主要な「技術的負債」(先送り作業)に対処して業務プロセスを改善することは、企業が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)といった難題に取り組む上で重要になる。とその原因を解説する本連載。第3回は、4〜6つ目の技術的負債を紹介する。

技術的負債4.保身のための曖昧さ

 情報共有の欠如は技術的負債の大きな原因だ。開発者やIT管理者などが自分の職を守るため、業務に関する情報を同僚に共有せずに曖昧にする場合がある。職務の性質上であれ、個人の意図であれ、従業員が情報を共有しない企業では、知識が徐々に失われつつあることに従業員さえも気付かない可能性がある。

 こうした技術的負債をなくすには、ある業務プロセスを完全に理解、掌握している従業員が、その業務プロセスに関する文書を整備することが重要だ。広く共有すべき情報ではないとしても、参照可能なリソースを残しておかなければならない。

技術的負債5.文書の欠如

 技術文書、特にソースコードに関する文書がないと、技術的負債が発生しがちだ。特に予算が厳しいシステム開発プロジェクトでは、技術文書は無視されたり、ないがしろにされたりしやすい。

 作業の文書化が不十分なことで生じる技術的負債の解消において重要なのは、テクニカルライターを投入することではない。企業は文書化を文化として根付かせ、開発プロセスの中で文書生成を自動化する必要がある。マネジャーは、従業員が責任を持って各自の作業を文書化するよう徹底しなければならない。

技術的負債6.ソフトウェアテストの欠如

 ソフトウェアのテストを省略することは、決して良い結果を生まない。品質保証(QA:Quality Assurance)やDevOps(開発と運用の統合)といったソフトウェアテストの自動化に関する分野では、企業が明確な取り組みを進めないと技術的負債が生じやすい。

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