「テープ」に回帰したい人の“複雑な心境”:テープの復興【第2回】
データ保管で目立つようになった“ある悩み”を起因として、テープへの回帰が起きている。悩みの正体と、テープ回帰との関係をひもとく。
近年、データ保管に関する“ある悩み”が顕在化したことと重なるようにして、「テープ」がルネサンス(再生や復活を意味する)を迎えた。なぜテープが必要になったのか。
テープに回帰せざるを得ない“あの悩み”
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連載:テープの復興
テープの長所と短所
企業の保有データ量は削除しない限り、ほとんどの場合は増え続ける。急激に増えるデータを全て保管し続けるのは困難であるため、企業は「古くなったデータ」を削除し、ストレージのコストを抑制しようとする。データのライフサイクル(生成から削除まで)に関するポリシーを設定している企業は少なくない。
ところが古いデータを削除してしまうと、過去からの傾向を把握するための情報が不足し、保管しているデータを十分に活用できない場合がある。機械学習などのAI(人工知能)技術は「人には分からない価値」を引き出す可能性を秘めているが、それにはデータが必要だ。
データを消去したいが、消去すると保有するデータ全体の価値を損なう恐れがある――このジレンマを抱える企業にとって、テープが解決策になる可能性がある。例えばクラウドベンダーは、データを長期保存するアーカイブサービスにテープを活用している。大量のデータを長期にわたって保管する際、テープはコストを抑制しやすいからだ。
テープ規格「LTO」(リニアテープオープン)の9世代目「LTO-9」は、テープカートリッジ1巻で非圧縮18TB、圧縮時45TBの容量を提供する。利用頻度が低いデータをテープに移し替えることで、コストを抑制できる可能性がある。
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