ロシア語サイバー犯罪者フォーラム「Dumps」とは? 何が話されているのか:ウクライナ侵攻で露サイバー犯罪者は苦境【第4回】
ロシアによるウクライナ侵攻をどう考えるかは、サイバー犯罪者によって異なる。ロシア語のサイバー犯罪者フォーラム「Dumps」の分析から見えてきた、サイバー犯罪者の「見方」とは。
英国のセキュリティベンダーDigital Shadowsによれば、サイバー犯罪者がランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃に他の手口から乗り換える動きが広がっている。通信大手Verizon Communicationsの脅威分析部隊「Verizon Threat Research Advisory Center」(VTRAC)によると、2021年のランサムウェア攻撃の件数は2020年比で13%増えた。過去5年間で特に目立った増加率だったという。
ロシア語フォーラム「Dumps」でサイバー犯罪者が話していること
併せて読みたいお薦め記事
連載:ウクライナ侵攻で露サイバー犯罪者は苦境
- 第1回:ロシアのサイバー犯罪者は“あれ”の利用禁止で稼げなくなった
- 第2回:「貧乏生活はもうたくさん」 “貧困化”するロシアのサイバー犯罪者
- 第3回:ロシアのサイバー犯罪者が「クレジットカード詐欺」をやめ始めた理由
「ロシア」の攻撃が勢いを増している
Digital Shadows のセキュリティ研究チーム「Photon Research Team」が2022年8月に公開した情報によると、ロシア語のサイバー犯罪者向けフォーラム「Dumps」が設立された。Dumpsは、ロシアとベラルーシの標的に特化した情報交換ができるフォーラムだ。
Photon Research Teamによれば、Dumpsは約100人のメンバーから成る。Dumpsでは
- サービス型攻撃
- データ漏えい
- クレジットカード詐欺のサポート
- マルウェア
といったセクションごとに、サイバー犯罪者同士で情報交換ができるという。
ロシアによるウクライナ侵攻について、Dumpsではさまざまな見方が出ているとPhoton Research Teamは分析している。Photon Research Teamによると、ウクライナ侵攻をサイバー犯罪者がどう捉えているかは、経歴や政治的信念、愛国心をどのくらい持つかといった要因に左右される。サイバー犯罪者の中には、ロシアの組織を攻撃することによってウクライナ侵攻に反対していることを表す人もいるとPhoton Research Teamはみている。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.