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無線LANをセンサー化する「Wi-Fiセンシング」 その中核要素「CSI」とは?「Wi-Fiセンシング」とは【中編】

無線LANを使って人の行動を検出する「Wi-Fiセンシング」。その中核要素となるのが「CSI」だ。CSIとは何なのか。CSIを生かすことで、Wi-Fiセンシングは何を可能にするのか。Wi-Fiセンシングの中身と可能性に迫る。

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 「無線LANセンシング」(以下、Wi-Fiセンシング)は、無線LANが使用する無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号を使い、人の行動や空間の状況の変化を認識する。革新を起こす技術としてWi-Fiセンシングへの期待は大きい。Wi-Fiセンシングの中核技術とは何か。Wi-Fiセンシングは具体的に何を可能にするのか。

Wi-Fiセンシングの中核要素「CSI」とは

 無線LANは、クライアントデバイスから「チャネル状態情報」(CSI:Channel State Information)を取得し、それを基に通信の最適な状況を調整する。CSIは、通信に関するさまざまな情報を収集して分析することによって、エンドユーザーが求める高速で安定したネットワーク接続を追求する。

 Wi-Fiセンシングでも、CSIは重要な役割を果たす。Wi-Fiセンシングに必要な人工知能(AI)エンジンにさまざまな情報を提供して、AIエンジンの分析能力を高める。これにより、AIエンジンは人や物体の存在はもちろん、ジェスチャーのような細かい動きや車の運転速度などを正確に認識できるようになる。

 CSIを生かし、Wi-Fiセンシングは例えば医療分野で、下記のことを可能にする。

  • 患者の転倒を早期発見
  • 患者が正常に呼吸しているかどうかを把握
  • 病室に関係者以外の人物がいるかどうかを確認

 Wi-Fiセンシングは既存のネットワークインフラを利用するので、特定のハードウェアを導入する必要がない。そのため医療機関をはじめ、IT予算が限られている組織でも活用しやすいと考えられる。


 後編は、Wi-Fiセンシングの技術開発に関して何が求められるかを考える。

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