「eSIM」に人々が期待している“手軽さ”とは何か:いよいよ来る「eSIM革命」【後編】
米国、英国、オーストラリアの消費者を対象とした調査から、消費者が「eSIM」に期待していることが明らかになった。期待内容の詳細と、今後の通信事業者が目指すべき方針を、有識者の見解に沿って解説する。
デバイス内に組み込んだSIMカード「eSIM」(組み込み型SIM)が盛り上がりを見せている。
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連載:いよいよ来る「eSIM革命」
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市場調査会社Dynataは、通信事業者向けソフトウェアベンダーAmdocsによる委託の下、2022年8月にeSIMに関するオンライン調査を実施した。調査対象は、米国、英国、オーストラリア在住の18歳以上の消費者2500人だ。eSIMのメリットを訪ねた設問で、回答者が挙げた主な項目は、
- キャリアや料金プランを瞬時に切り替えられること(32%)
- 物理的なSIMカードを買う手間が省けること(20%)
- プラスチック製のSIMカードを抜き差しする必要がなく、全ての導入作業をデジタルで済ませられること(13%)
だった。その他、
- 海外旅行時のローミング料金が節約できること
- デバイスの機能強化がしやすくなること
- プラスチック製SIMカードの使用が抑えられ、環境保護につながること
といった項目も、回答者の関心を集めた。
「今回の調査結果は、eSIMに対する消費者の熱意を明らかにしただけではなく、eSIMがユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)とサステナビリティを向上させる可能性があることを示した」。Amdocsのテクノロジー&ヘッドオブストラテジーグループプレジデントのアンソニー・グーネティレケ氏は、そう述べる。
Omdia(メディア・調査会社Informaの技術調査部門である、Informa Techが運営する調査ブランド)のリサーチディレクターであるダリオ・タルメジオ氏は、通信事業者にとってeSIMは「真にデジタルで、現代的な顧客体験を提供するチャンスを提供する」とみる。通信事業者はそのチャンスに乗じて、eSIMを取り入れたUXを設計し、顧客満足度を高めるべきだとタルメジオ氏は強調。「それができなければ、通信サービスは『オンラインで購入、契約、管理を完結させることができない唯一のデジタルサービス』のままになってしまう」と警告する。
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