SAP HANAは「データ永続化」をどう実現しているのか:SAP HANAバックアップ入門【前編】
SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」の最適なバックアップ手法を検討するには、SAP HANAがデータをどのように扱うのかを理解する必要がある。まずはSAP HANAのデータ永続化の基礎知識を整理しよう。
SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」は、メインメモリに全てのデータを保存する仕組みを採用する。一般的なデータベース管理システム(DBMS)と動作が異なる点があるため、企業はSAP HANAのバックアップ戦略を考える際に注意が必要だ。SAP HANAバックアップの基本的な知識を整理する。
知っておきたいSAP HANA「データ永続化」の基礎知識
電源障害によるデータ損失を避けるために、SAP HANAは外部ストレージを利用したデータ永続化(電源が落ちてもデータを保持すること)の仕組みを備える。SAP HANAは「データボリューム」と「ログボリューム」の2つのボリューム(ストレージ内の記憶領域)に分けてデータ永続化を実施する。それぞれの主な特徴は下記の通りだ。
データボリューム
主に通常のデータを保管するのがデータボリュームだ。SAP HANAのサービス(サーバプログラム)1つにつき、データボリュームを1つ使用する。各データボリュームには、SAP HANAサービスのデータと、ある時点までのデータの状態を保持するUNDOログの両方を含む。
ログボリューム
ログを保管するのがログボリュームだ。SAP HANAサービス1つにつき、ログボリュームが1つ存在する。各ログボリュームには、作成や更新といったデータの処理内容を保持するREDOログを格納する。
中編は、SAP HANAのデータのバックアップ方法を紹介する。
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