AWSがシンクライアントに本気なら「仮想デスクトップ」の勢力図が変わる?:AWSの新しいシンクライアント【後編】
AWSはシンクライアント「Amazon WorkSpaces Thin Client」を発表した。仮想デスクトップやシンクライアントの市場における同社の狙いは何か。市場に与える影響を踏まえて考える。
Amazon Web Services(AWS)は2023年11月、シンクライアント「Amazon WorkSpaces Thin Client」を発表した。同製品のハードウェア部分は、Amazon.comが手掛けるメディアプレーヤー「Amazon Fire TV Cube」とほぼ同じ外観をしている。シンクライアントOSには、同社製のOS「Fire OS」のエンタープライズエディションを利用する。AWSの狙いはどこにあるのか。
今後の論点は他ベンダーのVDI
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連載:AWSの新しいシンクライアント
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Amazon WorkSpaces Thin Clientは、仮想デスクトップ配信サービスの「Amazon Workspaces」や「Amazon Workspaces Web」、アプリケーションストリーミングサービスの「Amazon AppStream 2.0」などのユーザー企業をターゲットとしている。AWSのインフラで他ベンダーのVDI(仮想デスクトップインフラ)を使用可能にするサービス「Amazon Workspaces Core」のユーザー企業はターゲットとして想定していないと考えられる。AWSがAmazon WorkSpaces Thin Clientで他ベンダーのVDIを利用できるようにするかどうかは未知数だ。
将来的に他ベンダーのデスクトップ仮想化製品やサービスでAmazon WorkSpaces Thin Clientを利用可能になるのであれば、それはAmazon.comとAWSがシンクライアント市場に本格参入することを意味する。10ZiG TechnologyやHP、Dell Technologiesなどのシンクライアントベンダーと競合することになる。
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