「ロマンス詐欺」師が標的を口説き落とす方法と、被害に遭わない“ごく簡単な行動”:ロマンス詐欺とは何か【中編】
英国でSNSを利用したロマンス詐欺が拡大している。被害を防ぐために知っておくべき詐欺の手口と対策を紹介する。
偽の身分や架空のプロフィールを用いて標的に近づき、恋愛関係に発展してから金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」が問題になっている。英国の銀行TSB Bankの調査を基に、ロマンス詐欺から身を守るために、知っておくべきロマンス詐欺の手口や対策を紹介する。
ロマンス詐欺師に共通する口説き方
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連載:ロマンス詐欺とは何か
SNSと詐欺を巡る問題
典型的なロマンス詐欺は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でのやりとりから始まる。TSB Bankで詐欺防止担当ディレクターを務めるポール・デービス氏は、SNSの運営企業に対して「自社が提供するサービスを用いて交際相手を探す人を、より適切に保護するための仕組みを作る必要がある」と指摘する。
Meta Platforms(旧Facebook)が提供する「Facebook」や「Instagram」は、その膨大なユーザー数を踏まえると、頻繁にロマンス詐欺師が悪用していると考えられる。これ以外にも、ロマンス詐欺師は以下の出会い系SNSを利用する。
- Grindr
- Match.com
- Plenty of Fish
- Tinder
調査では、ロマンス詐欺師が標的との信頼関係構築に時間をかけていることが明らかになった。ロマンス詐欺師が被害者と初めてやりとりをしてから金銭を要求するまでの期間は、2021〜2022年の2年間で平均約53日だった。
要求の具体的な内容は、請求書の支払いや、日々の生活費を賄うための金銭的な援助を求めるものがほとんどだった。海外で足止めされ、英国に戻るための援助が必要だからという理由でお金を要求する例もあった。
外国人を装ったロマンス詐欺師が、被害者に会いにいくための渡航費用を援助してほしいと要求する例もある。2022年は、ウクライナ人を装ったロマンス詐欺師がこの手口を用いるケースが目立ったという。
デービス氏は次のように話す。「ロマンス詐欺の被害を防ぐ最善の対策は、交際相手について友人や家族に話すことだ」
他にもデービス氏は、被害に遭わないために次のことを実践すべきだとアドバイスする。
- もし交際相手から金銭の要求を受けた場合は、直ちに関係を切る
- 会ったことがない人に個人情報や機密情報を漏らさない
後編は、ロマンス詐欺の被害に遭った場合、どのような状況に陥ってしまうのかを紹介する。
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