第一生命が「Teams」に加えて「Zoom」を採用 使い分けの成果は?:NEWS
国内大手保険会社の第一生命保険が同社のコミュニケーションインフラとして、従来のTeamsに加えてZoomも採用した。Teamsに障害が発生した際のバックアップとしての役割だけでなく、定量的・定性的な成果が出ている。
Zoom Video Communicationsの日本法人ZVC JAPANは、第一生命保険(以下、第一生命)がWeb会議ツールの「Zoom Meetings」(以下、Zoom)を導入し、コミュニケーションインフラを整備したと発表した。
第一生命では保険領域だけでなく、健康や医療、地域コミュニティー形成の支援といった非保険領域にまでビジネスを広げている。これらは全てデジタル化の加速と非接触のコミュニケーションを前提として戦略を構築している。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うパンデミック(世界的大流行)の影響で新たな働き方が広がっている。同社はサブスクリプション方式のオフィススイート「Microsoft 365」で利用可能なWeb会議ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)を採用して全社的にWeb会議可能な体制を整備してきた。しかし、金融機関という特性上、万一のTeams障害時にも事業継続ができるよう、複数のWeb会議ツールの整備が急務となっていた。
「Teams」と「Zoom」を“使い分け”の成果は
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幾つかあるWeb会議ツールの選択肢からZoomを採用した理由は、現場からの要望が強かったためだ。第一生命のクライアントからZoomでのコミュニケーションを希望するケースが目立ち、その場合はクライアントからの招待を受けて参加していたため、自社が主催して打ち合わせを行う状況でもZoomを活用したいという声が高まっていたという。Zoomのセキュリティ対策が第一生命のクラウド利用基準に十分合致するとの判断もあった。
第一生命ではZoomの導入により、Teamsに障害発生した場合であってもWeb会議によるコミュニケーションが継続可能になるなど、時間換算で定量的な効果が生じている。定性的な成果としては、自身の意見をアイコンで表す「リアクション機能」や、自身の顔を3Dキャラクターに置き換える「アバター機能」などがコミュニケーションの活性化にも貢献しているという。
Zoomについて、第一生命社内のユーザー部門は音声・映像の安定性によるストレスのなさを、運用チームは分かりやすいインタフェースにより操作に関する問い合わせがあまりないことを高く評価している。
第一生命は全従員が無制限に会議を開催できるアクティブホストライセンスを契約。1万6000人ほどの社員が活用できる形になっており、法人向けの部署を中心に顧客からの要請に応じてTeamsとZoomを使い分けて運用している。
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