セキュリティ担当者がストレスでぼろぼろになる前に企業ができること:ストレスにさらされるセキュリティ担当者【第4回】
日々プレッシャーやストレスを受けるセキュリティ担当者の心理的な負担を軽減するには、どのような手段が有効なのか。企業はどのようなことに気を付ければいいのか。
セキュリティ担当者は、日々絶え間なくストレスにさらされている。IT業界のメンタルヘルス向上を目指して活動する非営利団体CyberMindz.orgは、セキュリティ担当者がサイバー脅威から受けるプレッシャーやストレスに対処するための方法を提供している。そのうちの幾つかを紹介しよう。
セキュリティ担当者の“心の安寧”を保つには
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連載:
- 第1回:“転職志望者”を量産する「セキュリティ担当」の過酷な現実
- 第2回:セキュリティ担当者が“ストレス”に苦しむのは「脳みその進化」のせいだった?
- 第3回:セキュリティ担当者は「燃え尽き症候群」の一歩手前? そのメカニズムを探る
ストレスとうまく付き合う方法
CyberMindz.orgは、ヨガや瞑想(めいそう)を組み合わせたメンタルヘルスのトレーニングプログラム「Integrative Restoration」(iRest)を提供する。同団体の創設者ピーター・コロネオス氏によると、このプログラムは米国の臨床心理学者リチャード・ミラー氏が兵士のために開発したもので、セキュリティ担当者に対しても有効だ。
メールセキュリティベンダーのMimecastでセールスエンジニアリング部門のマネジャーを務めるサンダー・ホフマン氏は、企業が自社のセキュリティ担当者に注意を向ける重要性を強調する。「セキュリティ担当者の需要は拡大しており、競争も激しい。しかし彼らが安心して働ける業務環境を確保できている企業はほとんどない」(ホフマン氏)
ホフマン氏は、セキュリティ担当者の心理的な負担を軽減するための企業の取り組み事例を紹介する。例えばある企業は、どの部門からも独立した相談役を置いた。これにより内部ではなく外部の人が、従業員の悩みやストレスに関する相談に乗る体制を整備した。Mimecastも、同社の従業員がいつでも社外の人に相談できる体制を整備しているという。
セキュリティ担当者が抱えるプレッシャーやストレスを解消する第一歩としてホフマン氏が提唱するのは、経営層が真剣に考え、それを起点に安全な職場の実現を目指すことだ。「最終的には、セキュリティ担当者が直面する状況や日々の課題を社会全体が認識する必要がある」と同氏は付け加える。「英国立サイバーセキュリティセンター(NCSC:National Cyber Security Centre)のような、国としてサイバーセキュリティ向上に取り組む組織が他国でも立ち上がり、世界がセキュリティ担当者の健康と安心に関心を寄せるようになってほしい」(同氏)
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