Amazonで“大規模削減”が止まらない理由 “あのサービス”の従業員も対象に:Amazonで進む人事改革【前編】
1万8000人以上の人員削減計画を表明したAmazon.comが、約9000人を追加で削減することを明らかにした。どの部門が人員削減の対象になるのか。同社が人員削減を続ける理由とは。
Amazon.comは人員削減をさらに進めようとしている。2023年3月発表のプレスリリースによれば、同社は新たに従業員約9000人を削減する計画だ。
“あのサービス”の従業員も対象に 人員削減が続く理由はこれだ
今回の人員削減の対象になったのは、
- クラウドサービス事業子会社Amazon Web Services(AWS)
- 映像ライブストリーミング配信サービス事業子会社Twitch Interactive
- PXT Solutions(People Experience and Technology Solutions)部門
- 広告部門
に所属する従業員。PXT Solutions部門はAmazon.comの人事部門に該当する。
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加速する人員削減
「われわれが策定した2023年の年間計画の主眼は、よりスリムになることだった」。Amazon.comのCEOアンディ・ジャシー氏は、同社従業員に宛てた文書の中でこう説明した。この計画の目的は「重要で長期的な顧客体験への力強い投資を継続することにある」とジャシー氏は説明。リソースを優先的に配分している戦略分野の事業では「限定的な人員採用を継続する」と明言する。
Amazon.comが公開している決算報告書によると、2019年〜2022年の各第4四半期(10月〜12月)における、同社の従業員数(正規従業員と非正規従業員の合計。契約社員・派遣社員は除く)推移は次の通りだ。2022年第4四半期の従業員数は、2019年第4四半期の約2倍に達している。
- 2019年第4四半期:79万8000人
- 2020年第4四半期:129万8000人
- 2021年第4四半期:160万8000人
- 2022年第4四半期:154万1000人
ジャシー氏は、Amazon.comが従業員数を増やしてきたことについて「われわれのビジネスと経済全体に起こったことを考えれば、理にかなっていた」と述べる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が発生して間もなく、IT企業は従業員を積極的に採用し始めた。オンラインショッピングをはじめとする、ITを活用したビジネスが急激に拡大したからだ。
Amazon.comは今回の発表に先立つ2023年1月、1万8000人以上の人員削減計画を表明していた。同社が人員削減計画を継続的に進める理由について、ジェシー氏は「ビジネスの優先順位を見極めるプロセスが続いているからだ」と説明する。
後編は、Amazon.comの季節雇用制度「Amazon CamperForce」の概要と、終了の理由を解説する。
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