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M&Aも難なく進んだ「SD-WAN」による“ネットワーク変革”の舞台裏世界的飲料メーカーが「SD-WAN」を採用した理由【後編】

M&Aでは、合併した企業同士や、買収される企業のIT資産をいかに1つのネットワークに接続するかが課題になる。飲料メーカーのJDEは、拡張性の高いネットワークインフラで、M&A後のIT資産の統合を迅速に進めた。

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 オランダに本社を置く飲料メーカーJacobs Douwe Egberts(JDE)は、世界各国で120カ所以上の拠点を結ぶネットワークを構築する必要があった。そこでJDEは、フランスの通信事業者Orangeのビジネスサービス部門Orange Businessが提供するマネージドSD-WAN(ソフトウェア定義WAN)サービス「Flexible SD-WAN」を導入した。Flexible SD-WANでは、ユーザー企業に代わり、Orange BusinessがSD-WANを運用する。

 JDEはM&A(合併と買収)の活動を進める中で、早速Flexible SD-WANの利点を引き出している。

M&Aも支えたネットワークの大改革

 通常、企業の買収においては、買収先企業と買収元企業の業務を円滑に連携させるまでには時間がかかる。場合によっては業務プロセスが変わるため、新たなアプリケーションを開発したり、買収先企業の拠点からアプリケーションにアクセスできるようにするためにWANの設定や構成を変更したりする必要があるためだ。

 SD-WANを用いれば、通常は物理的な機器を対象にするネットワークの設定や構成の変更がソフトウェアによって可能になるため、ネットワークの統合を迅速に進めやすくなる。JDEはFlexible SD-WANを活用することで、買収によって加わった新たな従業員や拠点が、アプリケーションとネットワークに迅速にアクセスできるようにした。

 拡張性の高いネットワークインフラは、新たなデジタルサービスをエンドユーザーに迅速に提供する際にも役立つ。「Orange Businessのおかげで、拡張性がありセキュアなネットワークインフラを構築することができた」とJDEのグローバル最高情報責任者(CIO)であるアレクサンダー・ミン氏は述べる。ミン氏はネットワークインフラの拡張性だけでなく、エンドユーザーのUX(ユーザー体験)が改善されたことも評価している。

 JDEが導入したのはSD-WANだけではない。同社はアムステルダム、サンパウロ、シンガポールの自社データセンターに、Orange Businessのネットワークセキュリティのマネージドサービスを導入した。これはOrange Businessが提供する、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービス「Evolution Platform」による改善だ。Evolution Platformはコンサルティングとツールの提供を組み合わせて、ユーザーに最適なインフラを提供する。

 「JDEは当社の接続性やクラウドコンピューティング、セキュリティに関する専門知識を基に構築された、セキュアで俊敏なインフラのメリットを受けている」と、Orange Businessの欧州担当シニアバイスプレジデントであるネモ・ベルビスト氏は述べる。

 JDEが取り組んだITインフラの刷新は、DXを加速させ、ビジネスを前進させることを目的としている。「これは実りあるパートナーシップの始まりに過ぎないと期待している」とベルビスト氏は話す。

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