GoogleのAI「Bard」が王者「ChatGPT」に“逆転勝利”する条件はこれだ:荒削りでもあなどれない「Bard」の可能性【後編】
ジェネレーティブAI市場はOpenAIの「ChatGPT」が支配しており、Googleは対抗策として「Bard」を投入したものの、まだ万全ではない。それでもBardがChatGPTとの競争を勝ち抜く可能性はまだある。
AI(人工知能)ベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」は急速に利用を広げており、Microsoftが金銭面とコンピューティングリソースの面でOpenAIを支援している。ジェネレーティブAI(生成AI:テキストや画像などを自動生成するAI技術)の競争は、原稿執筆時点ではMicrosoftとOpenAIが有利に進めている。
GoogleのAIチャットbot「Bard」は初期段階にあり、まだ改善の余地がある。それでもBardは、まだジェネレーティブAI競争の先頭に躍り出る可能性を秘めているという。どういうことなのか。
BardがChatGPTに“逆転勝利”する“あの条件”
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連載:荒削りでもあなどれない「Bard」の可能性
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「AIチャットbotを具現化する大規模言語モデルとアプリケーションは、使えば使うほど改善されていく」。調査会社Futurum ResearchでCEO兼アナリストを務めるダニエル・ニューマン氏は、そう語る。
ChatGPTとの競争にBardが打ち勝つには、Googleは「より多くのエンドユーザーにBardを公開して、テストを依頼するしか打つ手がない」というのが、ニューマン氏の見方だ。「Googleは『後れを取っている』と見られても、テストを進めなければいけない」と同氏は指摘。「現在は飛躍のための非常に重要な準備期間だ」と持論を展開する。
Bardをより使いやすく、望ましいAIチャットbotにするために、Googleは「積極的な動きを取る」とニューマン氏はみる。Googleは、検索エンジンでは変わらず最大手だ。Bardを磨き上げることで、検索エンジンの優位性をさらに高められる可能性がある。
見た目や使用感では似ているとしても、BardとChatGPTは「それぞれがそれぞれの方法で、魅力的な価値を提供する可能性がある」と、調査会社Forrester Researchのアナリスト、ローワン・カラン氏は言う。大規模言語モデルを活用して、検索体験を魅力的かつシンプルにする方法は「幾つもある」とカラン氏は指摘。BardとChatGPTのそれぞれが、どのように進化するかは「人々がどのように使いたいかに左右される」と説明する。
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