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無料PDFリーダーがいくら生まれても「PDFならやっぱりAdobe」の訳「PDFのAdobe」ここにあり【後編】

1990年代初頭に誕生して以来、PDFは主流のファイル形式であり続けている。PDFと切り離せないのがAdobeの存在だ。PDFの歴史を振り返りながら、PDFに対するAdobeの影響力を再確認する。

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 2023年2月、MicrosoftはWebブラウザ「Microsoft Edge」の組み込みPDFリーダーとして、「Adobe Acrobat」の描画エンジンを搭載することを発表した。Adobe Acrobatは、言わずと知れたAdobeのPDFファイル編集ソフトウェアだ。

「PDFといえばAdobe」――その歴史はこうして始まった

 Microsoftだけではなく、Webブラウザベンダー各社が、PDF関連の拡張機能を徐々に拡充させている。WebブラウザベンダーがPDF関連の機能開発に注力することには「驚きはない」と、業界団体PDF AssociationのCEO、ダフ・ジョンソン氏は指摘する。PDFファイルを利用したいというニーズは、いまだに衰えていない――。Webブラウザベンダー各社は、この事実を認識しているとみられる。

 誕生以来、PDFは主流のファイル形式であり続けている。PDFの生みの親はAdobeだ。同社は1990年代初めにPDFを開発した。同社はその事実を事あるごとにアピールするとともに、エンドユーザーがPDFファイルを使う際に、同社ツールを使う機会を広げようとしている。

 無償のオープンソースソフトウェア「Sumatra PDF」など、Acrobat以外のさまざまなベンダーのPDFリーダーが出回っている。それでもAcrobatの存在感は薄れることがない。調査会社Dash Researchのアナリストであるキース・カークパトリック氏は「市場におけるAcrobatの優位性は揺るぎない」と強調する。「今でも『PDFといえばAdobe』だ」(カークパトリック氏)

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