検索
特集/連載

女性がIT企業を辞める“本当の理由”はこれだ「女性が働きやすいIT業界」にするには【第2回】

女性の離職防止は、人手不足のIT業界において喫緊の課題だ。IT業界で働く女性が離職してしまう理由とは何なのか。VMwareで管理職を務める女性に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 IT業界における女性活躍の遅れを、どう解消するか――。これは人手不足も相まって喫緊の課題となっている。IT業界で女性活躍が進まない原因の一つに、“ある事情”によって女性が離職を選ばざるを得なくなる実態があるという。それはどういうことなのか。IT業界で活躍し続けてきた女性である、仮想化ソフトウェアベンダーVMwareの上級サイバーセキュリティストラテジスト、カレン・ウォーステル氏に話を聞いた。

女性がIT企業を“辞めざるを得なくなる理由”はこれだ

―― IT業界に入った女性が、離職を選ばざるを得なくなる状況があります。

ウォーステル氏 今のIT業界は、継続的かつ安定的な人材供給を可能にする「人材パイプライン」は充実しているものの、“蛇口の水漏れがひどい”状況だ。入ってくる女性を業界にとどめておくことができていない。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以降、IT業界から膨大な数の女性が去っていったのは、家庭における役割の大部分をいまだに女性が担っているからだ。特に子どもがいる家庭では、こうした課題が顕著に出る。

 IT業界では、女性が働きながら家庭を持ちたいと考えても、それを容易に実現できるようにはなっていない。IT業界から女性がいなくなりつつあるのは、そのためだ。「家庭をひどくないがしろにしているので、退職して別の仕事を探さなければならない」。仕事と家庭の両立の壁に突き当たった女性は、こう口をそろえる。

 Microsoftでは、私はゼネラルマネジャーとCISO(最高情報セキュリティ責任者)を務めた。当時、必要ならば仕事以外のことをアウトソースできる待遇を得ており、実際にそうしていた。家の掃除も、日用品の買い物も、自分ではやらなかったくらいだ。仕事に集中できるよう、全て他の人にやってもらっていた。

 私はそれまでのキャリアの中で蓄えた資産があり、自分でやるのか、人を雇ってやってもらうのかを選択できた。女性にとっての落とし穴になっているのは、働き続ける上でこうした選択ができるだけの報酬を稼げていない“中間の段階”だ。


 第3回は、IT業界での経験を通じてウォーステル氏が見た「働く母親への支援」の変化を聞く。

関連キーワード

人事


TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る