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「映画の中のAI」が現実に 規制当局は“基盤モデル”をどう見るのか?AIに真剣に向き合うときが来た?【後編】

AI技術が急速に進化し、その活用が拡大している。各国の規制当局はこの状況をどう捉えているのか。AI技術に潜むリスクと併せて紹介する。

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人工知能 | 情報漏えい | プライバシー


 人工知能(AI)技術の進歩は、「次に何が起こるのか」を予測し切れないほどに加速している。各国の規制当局はAI技術の進歩や利用拡大をどう捉え、どのような取り組みを実施しているのか。

「映画の世界」が現実に起きているとの見方も

 米国連邦取引委員会(FTC)の広告実務部門の弁護士マイケル・アトレソン氏はFTCの公式ブログで、人間の姿を備えるAIモデルと人間との心理戦を描いたSF(サイエンスフィクション)映画「Ex Machina」を例に挙げ、次のように指摘する。「現実でも、人々の信念や感情、行動に影響を与えるAIツールを提供する企業が現れ始めている」

 英国の競争・市場庁(CMA:Competion and Markets Authority)は、「ファウンデーションモデル」(基盤モデル)のレビューを開始することを決定した。基盤モデルとは、多様なデータから事前学習することで、さまざまな用途に活用できるようになる汎用(はんよう)性を獲得したAIモデルを指す。レビューでは、以下の項目に重点を置く。

  • 市場における基盤モデルの導入機会とリスク
  • 基盤モデルを発展させるための市場競争を後押しする方法
  • 基盤モデルがもたらし得るリスクから消費者を保護する方法

 CMAのCEOサラ・カーデル氏は、「革新的なAI技術がもたらす利益を英国の企業や消費者が利用しやすくする一方で、AI技術が作り出す虚偽情報や、誤解を招き得る情報から、人々を保護することが極めて重要だ」と指摘する。「CMAの目標は、開放的で競争力のある市場でAI技術を発展させることと、AI技術のリスクから消費者を保護することの両立だ」(カーデル氏)。

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