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「最低でも10億ポンド」を5Gで節約できるシナリオとは? Vodafoneが調査5Gの経済効果を分析する【前編】

5Gの普及で社会はどれほどの恩恵を受けられるのか。Vodafoneの調査では社会全体で莫大(ばくだい)な支出や時間を節約できることが分かった。英国の国民健康保険料を年10億ポンド減らすことができる試算だ。

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 通信事業者のVodafone UKがコンサルティング会社WPI Economicsに委託した調査によれば、英国の社会は「5G」(第5世代移動通信システム)を活用することで、さまざまなメリットを得られる。英国の国民健康保険料に限っても年間約10億ポンドも節約できる可能性が示された。5Gを普及させることでどのようなメリットが得られるのか。

国民健康保険料以外のユースケースは?

 WPI Economicsの調査は、「4G」(第4世代移動通信システム)導入時のデータをベースとして、5Gの導入による生産性向上と経済成長を見積もったものだ。5Gのユースケースとその影響を分析するために、リバプールのテストベッド(試験環境)での事例や、英国財務省の消費分析などを参考にしている。

 同調査では以下のような5Gのユースケースが英国全土に広まった際の経済効果を試算している。

  • 遠隔診療や、モノのインターネット(IoT)で患者をリアルタイムにモニタリングすることで病気を予防して通院の回数を減らし、英国の国民健康保険料を年間約10億ポンド節約する
  • 鉄道や列車に取り付けたセンサーにより遅延や欠航を減らすことで、5年間で乗客の時間を合計2500万時間以上節約し、3億2600万ポンド相当の価値を生み出す
  • 人の動きを検知した時のみ点灯するスマート街灯を使うことで、地方政府は5年間で7億ポンドを節約。二酸化炭素(CO2)排出量に換算すると5年間で約100万トン削減可能になる

 中編は5Gについて英国社会がどのような期待を抱いているのかを紹介する。

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