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通信網の新たな“切り札”「Open RAN」とは? 英国政府が投資を惜しまない訳英国政府のネットワーク戦略とは【後編】

英国政府はネットワーク改革の切り札として、「Open RAN」の研究開発を活性化させる。巨額の投資で何を目指すのか。

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 英国政府は「5G」(第5世代移動通信システム)や「6G」(第6世代移動通信システム)を中核技術とする、オープンなネットワークの実現を目指している。その背景に何があるのか。同国政府はどのような技術が切り札になるとみているのか。

韓国との共同研究も 英国が「Open RAN」に積極投資の訳

 英国政府が5Gと6Gに着目する背景には、米国とカナダ、オーストラリアの3カ国が、通信網の多様化に関して緊密に協力することを決めた動きがある。これらの国は、リスクが高いと判断した通信機器ベンダーの製品を自国のネットワークインフラに使用することを禁止している。それに伴い、3カ国が英国との協力の強化を決めたという経緯がある。

 新しい通信網の切り札となる可能性があるのは、仕様がオープンな無線アクセスネットワークを意味する「Open RAN」(RAN=Radio Access Network)だ。英国政府はOpen RANの活用によって、5Gネットワークの構築と保守がごく一部の企業に依存する課題を解決できるとみている。今回の投資プログラムの中核として、Open RAN関連の技術開発に2億5000万ポンド(約392億円)を投じる計画だ。

 その一環として英国政府は、Open RANを研究開発するためのパートナーシップを韓国と結んだ。Open RANで使うネットワーク機器の消費電力を抑制するために、韓国の企業や研究機関の知恵を借り、Open RANの実現を加速化させる狙いがある。

 韓国の情報通信企画評価院(IITP)のプレジデントを務めるソン・ペジュン氏は、「Open RANの研究開発分野で英国と韓国のパートナーシップが決まり、大変うれしく思う。Open RANの実現に向けた課題を一緒に解決して革新的なネットワークを構築したい」と意気込む。ソン氏によれば、両国は特にOpen RAN関連のサプライチェーンの強化に取り組む方針だ。

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