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「あなたは優秀だが当社に合わない」という不採用通知こそが危ない理由IT業界でD&Iが進まない理由【第3回】

企業の人材採用において、「この人は当社の文化にマッチするかどうか」を検討するのはよくある話だ。しかしダイバーシティー向上を重視するなら、その観点には注意が必要だ。どういうことなのか。

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 IT業界において、有色人種の従業員はキャリアアップの面でさまざまな課題に直面している。IT人材採用コンサルタント企業Templeton and Partnersのマーケティングディレクターであるエイミー・トレジャー氏が挙げる課題の一つは、雇用者側が指摘しがちな「カルチャーフィット」(組織の価値観や理念に対する適応性)に関連しているという。どういうことなのか。

「この人は違う」が生む差別意識とは

 カルチャーフィットという概念は、さまざまな影響を生む可能性がある。トレジャー氏は「異なるバックグラウンドや経験を持つ人を排除するために使われることがある」と指摘する。特にエスニックマイノリティー(地域や社会における少数民族)は、「『当社に入る資格があなたにない』とは言わないが、自分のチームには合わない」というフィードバックを受けがちだという。「自分たちが既に持っている文化に基づいて物事を考え、自分たちと似ていない人を違うように扱うのだ」(トレジャー氏)

 英国出身ではないIT技術者が英国で働く場合、この状況はさらに問題となる可能性がある。例えば「ネイティブスピーカーとは異なるアクセントで話す人は、仕事の能力が低い」と考える人がいる。これは人種差別や、人種間の対立に通底する問題だ。

 「他の人とは異なる」という意識が相手にあると、自分の価値を証明するのは、通常よりも難しくなる。「特に、エスニックマイノリティーの従業員が管理職を務めることを『珍しい』と受け止めている従業員がいると、成功への障壁はより高くなる」と、トレジャー氏は指摘する。


 第4回は、有色人種の従業員が直面する「組織構造の問題」について解説する。

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