「MacはWindowsより安全」だと信じられていたのはなぜ?:Apple製デバイスのセキュリティ向上策【第1回】
「Mac」「iPhone」「iPad」といったApple製デバイスは安全だ――。こうした“Apple安全神話”はなぜ生まれたのか。その“神話”はまだ続いているのか。
クライアントデバイス「Mac」をはじめとするApple製デバイスは、他社製デバイスと比べて安全だ――。こうした“Apple安全神話”はなぜ生まれたのか。Apple製デバイスが安全だと見なされてきた根拠は、実は幾つかある。
「MacはWindowsより安全」という“神話”はこうして生まれた
併せて読みたいお薦め記事
「macOS」はどのくらい安全なのか
企業向けクライアントデバイス市場では、MicrosoftのクライアントOS「Windows」を搭載したPCが席巻してきた。対してApple製デバイスはWindows搭載PCと比べると、企業での普及はごくわずかだった。そのため攻撃者は、より広範囲に影響を及ぼすことが可能なWindows搭載PCを重点的に標的とし、Apple製デバイスにはあまり興味を示さなかった。
「Walled Garden」(ウォールドガーデン)と呼ばれるAppleの戦略が、同社製デバイスの安全性を裏付けた。サードパーティーベンダーが「App Store」などのApple公式マーケットプレースで、MacのOS「macOS」やスマートフォンOS「iOS」、タブレットOS「iPadOS」といったApple製OS向けアプリケーションを流通させるには、Appleの審査と承認を受ける必要がある。庭を塀で囲って侵入を防ぐことにちなんで、この戦略をウォールドガーデンと呼ぶ。
状況は変わった。iPhoneの普及に伴い、企業の間でApple製デバイスの導入が急速に広がった。そのためApple製デバイスは、以前よりも攻撃者に狙われやすくなっている。
ウォールドガーデンは、Apple製デバイスのセキュリティ向上につながっていることは確かだ。ただし近年は、同社のアプリケーション審査について「厳し過ぎる」といった批判の声が上がるようになった。同社は将来、ウォールドガーデンを見直す可能性がある。
第2回は“安全神話”の根拠の一つでもある、Apple製デバイスのセキュリティ機能の「強み」と「弱み」を見る。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.