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macOS「マルウェアなのに無害だと判断してしまう」脆弱性とは何だったのかmacOSに見つかった2つの脆弱性を検証する【後編】

2021年に「macOS」に見つかった「CVE-2021-30853」は、マルウェアがまるで安全であるかのように見せかけることを可能にする脆弱性だった。その脅威とは。

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 AppleのOSを専門とするセキュリティ研究者パトリック・ウォードル氏は2022年6月6日(米国時間)、セキュリティのカンファレンス「RSA Conference 2022」に登壇。2021年に見つかった「macOS」の脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2021-30657」「CVE-2021-30853」による脅威を説明した。その脅威とはどのようなものだったのか。

「macOSがマルウェアをスルーする脆弱性」をあらためて振り返る

 後者のCVE-2021-30853は、macOS起動時のアプリケーション検査方法の問題に起因するとウォードル氏はみる。CVE-2021-30853を悪用すると、攻撃者はmacOSによるセキュリティ検査を回避して、悪意のあるアプリケーションを実行できる。

 ウォードル氏によればCVE-2021-30657とCVE-2021-30853の両方とも、攻撃者が悪用するには、エンドユーザーに不正なアプリケーションをダウンロードさせて、開かせる必要がある。そのためには、ソーシャルエンジニアリング(人間の脆弱性を悪用する手法)が必要になるので、攻撃者にとってハードルが高いと同氏は言う。ただし「macOSは『Windows』や『Linux』と比べてマルウェアの脅威が少ないため、エンドユーザーは警戒せずに信頼できないアプリケーションを実行してしまう可能性がある」(同氏)との見方もある。

 macOSを狙ったマルウェアによる攻撃を防ぐ方法として、ウォードル氏は「Appleの承認を受けていないコードをダウンロードしない」ことを推奨する。同氏はmacOSの自動アップデート機能を有効にするとともに、エンドポイントセキュリティ製品の導入も推奨している。

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