実は幅広い「AI系キャリア」 押さえておくべき“7職種”とは?:「AI」時代のキャリアとは【第3回】
AI人材とは、エンジニアだけを指すのではない。AI系の職種には具体的にどのようなものがあり、どのようなスキルが求められるのか。7つの具体例を紹介する。
AI(人工知能)技術の活用が企業において広がる中で、AI技術を扱える人材の需要が高まっている。AI系のキャリアは幅広い。具体的にはどのような仕事があるのか。
「AI系キャリア」とは? 7つの具体例
AI系キャリアの具体的な職種と、それぞれが担う役割は以下の通りだ。7種に分類して紹介する。
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連載:「AI」時代のキャリアとは
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- AIエンジニア
- AIモデルをビジネスに適用するためのシステムやプロセスの開発を担う
- ソフトウェア開発エンジニア
- 分散型機械学習(機械学習の計算処理を複数に分割する手法)のシステム開発と、ユーザー向けの大規模サービスの設計や開発、テスト、配備を担う
- プロンプトエンジニア
- AIモデルから望ましい出力を得るための適切なプロンプト(情報生成のための質問や指示)の開発を担う
- アプライドサイエンティスト
- 深層学習(ディープラーニング)のモデル(以下、深層学習モデル)の性能を向上させるための体系的なアプローチ開発に取り組む
- データサイエンティスト
- データ分析で技術分野とビジネス分野の橋渡しをする。データを基にした機械学習モデルの設計や構築、トレーニングの他、機械学習アルゴリズムの作成や実践を担う
- AI倫理アドバイザー
- AI技術を倫理的に実践するためのアドバイスを提供する。偏見や差別、意図しない結果の出力を防ぎ、AI技術利用の説明責任を果たす
- プロダクトマネジャー
- AI技術を活用した新しい製品やサービスを設計して市場に投入する。ユースケースの開発からAI倫理の分野に至るまで、AI技術やAI市場参入に関するアドバイスを提供する
他にも、AI系のキャリアは以下のような業務に携わる場合がある。
- 機械学習モデル用のビッグデータの構築と管理
- ビジネストレンドを認識するための、複雑なデータセットの評価
- AI技術でテキストや画像などを自動生成する「ジェネレーティブAI」(生成AI)サービス向けプロンプトの開発や改良
AI系キャリアの中核的な存在が、アルゴリズムやシステム構築などを担うエンジニアだ。例えばAmazon Web Services(AWS)のAI技術担当者には、機械学習アルゴリズムやシステムの設計、深層学習モデルの性能強化を実現するためのスキルが求められる。それだけでなくクラウドサービスやエッジデバイスにおいて、機械学習モデルの大規模なトレーニングや実装を顧客と共同で実施する責任も担う。
AWSは、AI系のキャリアを目指す人をサポートするためのトレーニングを提供している。同社でアジア太平洋および日本地域担当のトレーニングと認定担当ディレクターを務めるアンドリュー・スクラー氏は、今後AI技術の利用が広がるにつれて重要性が増すのは、データの完全性、強固なセキュリティ、基礎的なエンジニアリングの3つだと指摘する。
第4回は、AIエンジニアに必要なスキルや資格について紹介する。
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