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受け入れられなければ訴訟、OpenAIらに作家たちが突き付けた代替案は?生成AIベンダーと作家たちの戦い【第2回】

生成AIによる著作物の利用に関して作家たちが動き出した。全米作家協会はどのような手段に打って出ようとしているのだろうか。

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 全米作家協会(Authors Guild)はOpenAIやStability AI、Alphabet(Googleの親会社)といったジェネレーティブAI(生成AI)関連の主要ベンダーに対し、生成AIの訓練にクリエイターの作品を使う方法を軌道修正するよう呼び掛ける書簡を公開した。生成AIとは、テキストや画像を自動生成するAI(人工知能)技術のことだ。

 作家たちが主張するのは既存の大規模言語モデル(LLM)の破棄ではない。作家たちは代替案として、ベンダーが生成AIシステムの訓練に使用した著作の対価をクリエイターに支払う「拡大集中許諾制度」の導入を提唱している。作家たちは米連邦議会に対して、自分たちの作品がAIシステムの訓練に使用されないことを著者が選択できるようにする法律の制定を求めてもいる。

拡大集中許諾制度を求める狙い

 拡大集中許諾は、組織が著者の代表となって生成AIベンダーに包括的ライセンスを供与し、ライセンス料を交渉し、著者が補償を受けられるように分配するとするものだ。

 今回の書簡は、OpenAI、Meta Platforms、Googleといった企業が著作権侵害の訴訟に直面している中で公開された。AIシステム開発の一時停止を求める声もあればAIによる絶滅を警告する声もある。

 全米作家協会は訴訟というアプローチではなく、生成AIベンダーと交渉しながら法整備を進めようとしている。全米作家協会の代表を務めるメアリー・ラゼンバーガー氏は、「もしそれが失敗したら、私たちも訴訟を起こさなければならない」と語る。ただし、どの生成AIベンダーと話しているかを明かすことはできないと言い添えた。


 次回は、法整備の必要性について紹介する。

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