IT人材不足よりもまず「女子生徒の関心」が大事なのはなぜ?:女性の技術者育成を目指すAWS【後編】
AWSはIT人材を育成するための幾つかの施策に取り組んでいる。同社が奨学金制度や、女子生徒向けの教育プログラムを提供する狙いとは。
Amazon Web Services(AWS)は主に12歳から14歳までの女子生徒向けに、アプリケーションの企画コンテスト「AWS GetIT 2023」(以下、GetIT)を実施した。AWSがこのコンテストを実施する狙いは、女子生徒にIT業界への関心をより持ってもらうことにある。
GetITに参加する生徒は、クラウドコンピューティングなどITについて学ぶ機会を得るとともに、地域や社会の課題解決に、ITをどのように応用できるのかを学ぶことができる。AWSのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域のマネージングディレクターで、2023年のGetITで決勝戦の審査員を務めたタヌジャ・ランデリー氏は、「生徒がIT業界を身近に感じ、ITスキルの基礎を築くきっかけとなることを願っている」と語る。
女子生徒の関心はどこにあるのか?
ランデリー氏は、女性は技術職の中でも特に、地域社会を助けたり、現実世界の問題を解決したりする仕事に魅力を感じる傾向があると説明する。
GetITで優勝を果たした英国エディンバラのセントジョージズスクール(St. George’s School)は、食事制限のある人が飲食店を見つけるのに役立つアプリケーション「Food 4 U」を企画した。他のチームは、移住した国での定住を支援するアプリケーションや、大学生や専門学校生向けに自炊のレシピをランダムに選ぶアプリケーションなどを企画した。
Amazon.comとAWSは、スキルギャップ(企業が求めるスキルと従業員が持つスキルの差)を解消し、より多くの女性がIT業界に入ることを奨励する複数のプロジェクトを立ち上げてきた。以下はその一例だ。
- Amazon Apprenticeship Fund
- Amazon.comとパートナーシップを結ぶ中小企業が実習生を育成するのを支援するための基金
- Amazon Future Engineer Scholarship
- 社会的または経済的な障壁を持つ女性がコンピュータサイエンスや工学の学位を取得するのを支援する奨学金制度
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