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楽天的な企業がはまりそうな「ChatGPT」の“まさかの穴”に要注意各国政府が「AI」に向ける視線【中編】

生成AIに期待が集まる一方で、そのリスクに言及し、規制を検討している国もある。この動きはビジネスにどのような影響をもたらすのか。企業は“ある動き”に要注意だ。

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 AI(人工知能)ベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」の登場で、テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)という言葉が広く知られるようになった。その影響の受け止め方はさまざまだ。生成AIに期待が集まる半面、潜在的なリスクを懸念し、規制を検討している国もある。この動きは、企業にどのような影響をもたらすのか。“ある動き”に注意が必要だ。

楽天的な企業がはまりそうな「ChatGPT」の“落とし穴”

 調査会社Gartnerでアナリストを務めるネーダー・エナン氏によると、各国政府が問題視するのは生成AIの技術そのものではない。「各国政府は、ChatGPTが欧州連合(EU)の『一般データ保護規則』(GDPR)に準拠していないことを懸念している」(エナン氏)。ChatGPTがGDPRに準拠していないことが原因で、同ツールのユーザー企業は窮地に立たされる可能性がある。

 エナン氏によれば、規制当局はChatGPTをはじめとする生成AIツールの利用責任をユーザー企業に負わせる可能性がある。そのためChatGPTや、生成AIツールの基になる大規模言語モデル(LLM)の導入企業は、何らかの責任を問われる立場になる可能性を、常に念頭に置かなければならない。

 「生成AIツールを採用する企業は、新興技術に依存するリスクを負うことになる」とエナン氏は警告する。生成AIに関する規制は各国でまだ定まっておらず、その行方によっては“コンプライアンス違反企業”になってしまう可能性があるのだ。生成AIを導入する企業は、都合良く情報を抜き取ったり、過去のある時点に戻って情報を削除したりすることはできないことを忘れてはならない。


 後編は、生成AIに対する規制の在り方について、専門家の意見を基に考える。

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