「大規模言語モデル(LLM)で何がしたいのか」を明確にする2つの視点:責任あるAI利用とは【第3回】
大規模言語モデル(LLM)をビジネスで活用したいと考える企業は、まず何から取り組む必要があるのか。LLM活用を進める際に忘れてはいけないポイントを2つ紹介する。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)を導入する企業は、まず何から取り掛かる必要があるのか。「大規模言語モデル」(LLM)のユースケース(利用の目的やシナリオ)を決めたり、LLMをトレーニングしたりする際のポイントを紹介する。
LLM導入に当たってまず明確にすべきこと
併せて読みたいお薦め記事
連載:責任あるAI利用とは
LLM活用を進める企業
1.ユースケースの特定
LLM導入を考える企業は、まずLLMのユースケースを明確に定義する必要がある。具体的には、LLMをどの従業員が利用するのか、業務にLLMをどう活用するのか、何をしてはいけないのかなどを決める。ユースケースを決めたら文書化すると同時に、ビジネスのどの段階でLLMを使用するのかを明確にする。リスクの判断基準を調査する必要もある。
2.LLMのトレーニング
ユースケースを決定したら、データを利用しやすいように加工したり、組み合わせたりする「データキュレーション」を実施する。例えば、企業固有の文書や、医学雑誌の出版物など業界独自のコンテンツを扱う場合は、キュレーション済みのデータセットを用いて、ユースケースに沿うようにLLMをトレーニングする。この過程を経ることで、LLMはユーザーにとって有用な結果を出力できるようになる。
LLMをトレーニングする際の安全性を確保することも重要だ。機密データや著作権を含むデータが外部のAIベンダーに送信されないように確認し、データセキュリティを確保しよう。
第4回は、責任あるAI利用を進めるために企業が実施すべきことを紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.